「リベンジ夜更かし」対策には日中の満足度が鍵?睡眠テックの賢い活用法!

日中の満足度が鍵?「リベンジ夜更かし」と睡眠テックの賢い活用法

多忙な日々を送る現代人の間で増えているのが、夜更かしをして自分の時間を楽しもうとする「リベンジ夜更かし」です。

しかし、これは要注意! 夜ふかし習慣が寝不足の習慣化につながり、日中のパフォーマンスをさらに低下させてしまうという悪循環に陥ることも少なくありません。

今回は、東京家政大学人文学部心理カウンセリング学科教授である岡島義先生と、睡眠養生 編集長の大木都(さとちゃん)による対談から、リベンジ夜更かしの根本的な原因と、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの賢い活用法について探ります。

この記事でわかること

  • リベンジ夜更かしの本質的な原因は?
  • リベンジ夜更かしをしがちな大学生に、実際に行っているアプローチ
  • ウェアラブルデバイスを使った睡眠管理は効果的かどうか
目次

リベンジ夜更かしの本質的な原因

さとちゃん

ここからは、岡島義先生と上級 睡眠健康指導士の大木との、対談形式でお届けいたします。

「リベンジ夜更かし」とは?

リベンジ夜更かしとは、日中に仕事や家事、育児などで忙しく自由時間を取れなかった反動で、就寝時刻をわざと遅らせて自分の時間を確保しようとする行動。

夜になって、好きな行動でストレスを発散しようとし、ついつい就寝時間を遅らせてしまう「就寝時間の先延ばし」による行動で、「報復性夜更かし」とも呼ばれています。

楽しさや充実感を感じられる反面、睡眠負債をため込み、翌日以降のパフォーマンスを下げる悪循環を招きやすいことが問題視されています。

リベンジ夜更かしの本質的な原因は、日中の満足感の低さ

さとちゃん

岡島先生、私が健康経営セミナーを担当する際に人事の方から【リベンジ夜更かしをどうすればいいでしょうか】というご相談をよくいただくのですが、先生はどのようにお考えでしょうか?

岡島義先生

そうですね。 例えば、リベンジ夜更かしをする人に「スマホをやめましょう」と言っても、やめられない層が一定数います。

──その人たちは、日中の満足感が低いことが原因になっていることが多いようです。

厳しい表現かもしれませんが「日中、ただ生きているだけに見えてしまうような状態」で、なんとなくお金を稼げば楽しい生活ができると思って働いている。けれど、平日は睡眠負債を抱えているので、休日はずっと寝て過ごす、というような状況ですね。

これは単にスマホをやめれば良いという話でもなく、日中の満足度として「生きがい」のようなものをどう見つけていくか、というアプローチを、丁寧にしていかないといけないと思います。

リベンジ夜更かし」をしがちな大学生に対する、音楽を使ったアプローチ

さとちゃん

「生きがい」ですか。特に若い世代にとっては、「今すぐ見つける」というのは難しいことかもしれませんね。

先生は、さまざまなカウンセリングをなさり、多くの方の生活に寄り添っていると思います。

実際は、そういった方々に向けてどのようなアプローチをされているのですか?

岡島義先生

私が担当する授業では,音楽を使うなどして、自分がどう生きるべきかという部分にアプローチしています。

──たとえば、アンジェラ・アキさんの『手紙 ~拝啓 十五の君へ~ 』を取り上げ、「いまの苦しさも、あとから振り返れば大切な経験になる」という歌詞のメッセージに注目してもらいます。

また、ちゃんみなさんの『PAIN IS BEAUTY』から「その痛みや苦しみはつらいけれど、自分を磨く力にもなる」と伝え、学生が共感しやすい言葉で説明します。

大切なのは「嫌なことをすべて排除する」のではなく、苦しさの中でも「やりたいこと」を見つける姿勢だということを、彼らの感性に寄り添いながら伝えています。

さとちゃん

素晴らしいですね。
その授業、私も受けてみたくなりました!

音楽と歌詞から、情緒豊かに感性が刺激されそうです。

睡眠を「見える化」するウェアラブルデバイスの活用法

さとちゃん

デジタルで夜遅くまでリベンジ夜ふかししている若年層には、便利なガジェットを使うのも 1つの対策方法かと思ったりします。

睡眠管理の指導をされる際、先生はウェアラブルデバイス(スマートウォッチ)をご案内されますか?

睡眠の「主観と客観のギャップ」を知るために便利なツール

岡島義先生

そうですね。カウンセリングだけでなく、学生の授業でもよく取り入れています。

──たとえば「自分はよく眠れている」と思っていても、データを取ると実際の睡眠時間は意外と短いことがあります。

反対に「全然眠れていない」と感じていても、実は十分に眠れているケースもありますよね。

そこで授業では、Fitbitなどのウェアラブルデバイスを実際に使い、自分の感覚と客観的なデータとのズレを体験してもらうようにしているんです。

さとちゃん

なるほど。主観と客観のズレを認識する良いきっかけになりますよね。

岡島義先生

ええ。ただ、全員に推奨しているわけではありません

睡眠スコア(点数)がストレスになるケースもあるので要注意

岡島義先生

睡眠スコアを見ることで、「こんなに寝れてない」と焦ってしまう人が一定数います。

──数字にこだわってストレスになりそうな方には、今後ウェアラブルデバイスで睡眠を見ない方がいいかもしれない、と伝えることもあります。

さとちゃん

本当にそうですね。私がFitbitを使ったカウンセリングを行う際も、睡眠スコア80点以上を取ることがなかなかできず、落ち込んでしまう方がいらっしゃいました。

Fitbitでは80点以上は「良い睡眠」なので本来は充分なはずなのですが、普段から80点以上取っている方が、「100点が取れないんです!」と悩んで、完璧を求めて苦悩してしまうケースもあります。

このようなタイプの方は、デバイスをつけること自体が負担になってしまうと感じます。

ウェアラブルデバイスは、楽しみながら自己管理を行うために最適

さとちゃん

自分の眠っている状態が可視化されるのは、やっぱり楽しいですよね。

それでも、あくまで睡眠は日々変動もする前提で、あまりストイックに数字を追い続けるのではなく「自分の睡眠を見てみる」というゆるい感覚で見守ると、日常のちょっとした行動が変わるような「気づきを得られるツール」として活用するのがポイントだと思います。

岡島義先生

学生のなかには「自分実験」と称してウェアラブルを装着し、まず1週間ふだん通りに生活して睡眠データを集め、続く1週間は睡眠に良い習慣を徹底して、その変化を比較している学生もいるんですよ。

──自分自身の健康管理のために、楽しみながら使うのはすごく良いと思います。

ウェアラブルデバイスそれぞれの特性を理解した上で使うのがいいかもしれませんね。

さとちゃん

確かに、ご自身の性格も考慮した上で、デバイスを活用していくことが大切ですね。

数字を見るとストレスになってしまうなら、かえって使わない方がいい場合もあるんですよね。

まとめ:リベンジ夜更かしを克服するために

リベンジ夜更かしの背景には、日中の満足感が足りないという理由が隠れていることが少なくありません。

昼間の仕事や家事、学業のなかに小さな「生きがい」を見つけると、夜に無理に自由時間を取り戻そうとする欲求は自然と弱まり、睡眠時間の確保や質の良い睡眠へとつながります。

日中のうちに音楽を聴いたり、ほんの数分でも好きな趣味に触れたり、体を軽く動かしたり――心が動く時間を日中から少しずつ増やすことが、夜更かしループをほどく第一歩です。

また、自身の睡眠を客観的に把握するためにウェアラブルデバイスを試してみるのも一つの方法です。ただし数値にとらわれすぎてストレスを感じると逆効果になるため、あくまでも気軽に活用してみましょう。

日中を充実させ、夜は安心して眠る――このシンプルなバランスが回りはじめると、翌日の心身のコンディションも整いやすくなります。

夜更かしで取り戻したつもりの自由時間よりも、満たされた一日の先にある深い眠りのほうが、きっとあなたの明日を軽やかにしてるはず。毎日の習慣を少しずつ変えてみて、すっきりとした心と身体で過ごせる心地よさを味わってみてください。

この記事でわかったこと

  • リベンジ夜更かしの本質的な原因は、日中の満足感が低いこと
  • エモい曲を取り上げ、歌詞に共感しながら前向きなメッセージを伝えている
  • ウェアラブルデバイスは楽しみながら健康管理に活用するのが効果的

関連書籍

認知行動療法(CBT-I)について、もっと詳しく知りたくなりましたか?

本記事を監修している岡島義先生の著書「1時間多く眠る! 睡眠負債解消法」もチェックしてみてくださいね。

▼参考書籍

【書籍情報】
タイトル:1時間多く眠る! 睡眠負債解消法
著者名:岡島 義
出版社:さくら舎
形態:単行本(ソフトカバー)
発売日:2020/8/6

監修:岡島 義(おかじま いさ)

*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)

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