睡眠時間は、大切な体のメンテナンス時間です。そんな大切な時間の睡眠を「質」良く支えるには、身体のエネルギー源が必要です。
「ストレスで寝ようとしても精神的に落ち着かず、なかなか眠れない。」「ぐっすり眠れないから、体力的には疲労困憊。」「忙しいから食事バランスも乱れている自覚もある。」ましてや「年齢を重ねて睡眠の質ががっくり悪くなっている。」そんな睡眠のお悩みを感じていませんか?
今回は、様々な国際資格をもち、食薬アドバイザーとして活躍される大久保愛先生に「睡眠の質が悪い」と悩んだ際におすすめな食材と薬膳茶のレシピ、どうにもならないときの頼れる漢方処方についても教えていただきました。
睡眠の質の悩みを改善してくれるサポートアイテム「食薬」を、ご自宅に常備してみましょう。
この記事でわかること
- 感情にも大きく影響する、食事の状態とは?
- 睡眠の質とは?
- 睡眠の質を改善するコツとは?
- 簡単に取り入れやすい食薬ドリンクのレシピは?
余裕をくれる「メンタル安定食薬」とは?
いつも心穏やかで、いろいろな出来事にワクワクする「メンタルが安定している人」は、とても魅力的ですよね。
どんなときも心に余裕があり、自分も身近な人たちも大切にできると、人生がより豊かになります。この世の中は常に不動のものではなく、私たちはさまざまなことが流動的に変化し続ける中で生きています。
そのため、どうしても怒りたくなる出来事や、落ち込みたくなる場面、不安になるタイミングがあるもの。しかし、そんなマイナスの感情があるからこそ、プラスの感情がわき上がったときには、より幸せを感じられますよね。
漢方では、陰陽のバランスに重きを置きます。たとえば昼と夜、お腹と背中、男性と女性など。対照的なAとBがあったときに、片方はダメで片方はよいと考えるのではなく、どちらも生きていくために欠かせない大切なものだと考えます。
とはいえ、自分の心をまったくコントロールできなくなってしまっていてはいけませんよね。心をコントロールできるかどうかは、ストレスとの距離感や接する時間も問題となりますが、食事が心に与える影響も大きいです。
もちろん、生きている限りどうしても避けることのできないストレスはありますが、食事によって回避できる感情の変化や、集中力・記憶力の低下などがあるのも確か。
少しでも心地よい時間が続くように、そしてやってみたいことや、行ってみたい場所など、希望に満ちあふれた毎日が過ごせるように、心にとってプラスになることは、ひとつでも多く取り入れていきたいですよね。
弱い心は、日頃の食べ物がつくり出している体の変化によってもたらされている可能性もあるので、本来の健やかな心と、強い自分を取り戻すためにも、普段から食薬を活用していきましょう。
睡眠の質は「日常生活の通信簿」
では、睡眠の質を高めるためには、どうすればいいのでしょうか?
睡眠の質を高めるためには、寝る時間だけを気にして過ごしていても改善は難しいです。というのも、日頃の行動や食生活、生活環境といったさまざまな要因が、睡眠に影響するからです。
普段から甘いものをよく食べている「隠れ低血糖」を引き起こしている人は、夜間にも低血糖になり、歯ぎしりや寝汗、悪夢を見たり、起床時に肩こりや疲労感に悩まされたりすることがあります。
さらに、私たちは加齢に伴い、熟睡に必要なホルモンであるメラトニンの分泌が減少したり、副交感神経の活動レベルが低下したりすることによっても、睡眠の質が悪くなりやすいです。
ぐっすりと眠れなければ、日中に眠気が襲ってきてつらいという問題だけでなく、心の不調や肥満、生活習慣病、ガンなどに派生していく場合も多々あります。
もちろん、せっかく睡眠の質がよいのに、自ら寝る間を惜しんでほかのことをしてしまうのはNG習慣。そもそも、睡眠の質を上げる「全員共通の対策法」はありません。
まずは、睡眠の質は「日常生活の通信簿」と考え、行動を改めましょう。

睡眠の質を上げる「全員共通の対策法」は無い!
生活習慣を個人個人で見直し、通信簿のスコアをよくすることを続けながら、併せて「食薬」で睡眠の質を高めるために「血(けつ)」と、寝不足で消耗する「水(すい)」を補いましょう。
これは血液と水分という意味だけではなく、中医や漢方の「血」と「水」です。詳しく見てみましょう。
血(けつ)
美しい肌を保つコラーゲンの素材になる他、女性特有の不調を改善するなどの重要な役割を担っています。血が不足すると、メンタルが安定しないといった精神的症状もでます。
セロトニンを始めとする脳の伝達物質の生成にも使われるため、不眠などの自律神経が乱れる原因にもなります。
水(すい)
水分を保持する力=若々しさ。
体の水不足は便秘や髪の乾燥、肌トラブルが生じやすく、ホルモン分泌にも影響します。
さらに、更年期のトラブルによる関節の炎症や痛み、免疫の低下などとして症状があらわれます。

体からは1日に2100〜2600mlもの水分が失われている
まずは、1日のうちに体から失われる水分について、説明しましょう。
私たちの体内の水分は、とどまることなく絶えず体のために働いてくれています。尿から1000~1500m、便から100ml、呼吸から400ml、汗や皮膚からの水分蒸発として600mlの「トータル2100~2600ml程度」の水分が体から失われているのです。
これに加え、運動をしたときや緊張をしたとき、気温が高いとき、お酒を飲むときなどはさらに水分が失われていきます。
この1日で失われていく水分を補填できる形で水分の摂取ができていなければ、細胞ひとつひとつに栄養や酸素を運びきれず、老廃物の回収や排泄もうまくできなくなるのです。

しかし「水」といっても、単なる水分とは分けて考えましょう。コーヒーや紅茶、ジュースといった嗜好品で補っているのでは、消化負担のほうが高くなってしまいます。
喉がかわく前に、常温の水をこまめに飲みましょう!
「血」を補い、心を癒やすおすすめの食薬は?
続いて、睡眠の質に大切な「血」はどのような食材で補えば良いのでしょうか。今回はお茶でもおやつにもオススメの2品をピックアップしてご紹介します。
なつめ
「血」を補う食薬。自律神経を整え、睡眠の質を上げたり、心を安定させたりする働きがあります。
貧血気味の人や冷えやすいときのおやつにもグッド。
軽く小鍋で加熱すると、柔らかく食べやすくなるので、それだけで立派なデザートになります。
イチジク
人類史最古の栽培果実。「不老不死の果物」とも呼ばれています。
また、過労や寝不足で消耗する「水」を補います。
のどや腸を潤したり、腸内環境を改善したりして、自律神経のバランスを整えます。
「食薬ドリンク」を常備して、眠る前にリラックス
Recipe1:あったかドライフルーツティー
材料(1人分)
- イチジク(ドライ)・・・4個
- なつめ(ドライ)…・・4個
- カモミール・・・ティースプーン1杯
- またはティーバッグ1袋
- 水…300ml
つくり方
- 小鍋に水を入れて、中火にかけて、沸騰させる。
- 1にドライイチジク、ドライなつめ、カモミールを入れて、弱火にかけ、ドライイチジクとドライなつめが柔らかくなるまで煮込む。
- 2を器に入れたら完成。残ったドライフルーツは、おやつとして楽しむのもおすすめ。
*寝る前はドリンクのみにして、フルーツは日中のおやつにしましょう。
Recipe2:お休み前のリラックスハーブティー
リラックスタイムや不眠、有害物質の排泄を促したいときにおすすめ。
抗アレルギー作用や抗菌作用なども期待されています。
こんなときにおすすめ
- 気分転換する時間がない肌のトラブル
- イライラ
- 春冷えする
材料(つくりやすい分量)
- よもぎ茶(粉末または茶葉)
- ・ティースプーン1杯
- またはティーバッグ1袋
- コリアンダーシード・・大さじ1
- 水…・500ml
つくり方
- よもぎ茶とコリアンダーシードをお茶パックに入れる。
- 小鍋に水を入れて、中火にかける。
- 沸騰したら、1を入れ、弱火で10分ほど煮たら完成。
Recipe3:安らぐミックスハーブティー
プレッシャーが多く、気が休まらない春。
ストレスケアと風邪のひきはじめの対処が同時に叶う1杯は、忙しい人のリラックスタイムにも。
こんなときにおすすめ
- 肩こりや頭痛
- 風邪のひきはじめ
- 気を張っている
- 寝つきが悪い
- 不安感がある0
材料(1人分)
- リンデン・・ティースプーン1杯
- またはティーバッグ1袋
- コリアンダーシード・大さじ1
- 水・・・300ml
つくり方
- リンデンとコリアンダーシードをお茶パックに入れる。
- 小鍋に水を入れ、中火にかけ沸騰させる。
- 2に1を入れ、10分蒸らしたら完成。
どのドリンクレシピも、面倒なときには、休日にドリンクを作っておき数日かけて飲むのでもOK、容量もお好みでアレンジしてみましょう。
まとめ:全員共通の対策法がないからこそ、自分にあった食薬を!
睡眠の質を良くするドリンクといっても、単純にリラックスだけを求めるわけではなく、「補う」という視点のある食薬。今回のレシピと書籍は、心と体が潤う食薬ドリンク図鑑から再編集させていただきました。
本書籍の中では、睡眠の質以外にも多くの方が悩む不調のお悩み別、また季節変化による不調に応じたレシピとセルフケアが充実しています。
編集部も発売記念のトークショーに参加し、その場で試した試飲ドリンクで体調緩和を感じました。
この記事でわかったこと
- 弱い心は、日頃の食べ物がつくり出している体の変化によってもたらされている可能性も
- 睡眠の質とは「日常生活の通信簿」
- 睡眠の質を改善する食薬のポイントは「血」と「水」の補給
- 食薬ドリンクは、作り置きで習慣的に取り入れてみよう
関連書籍
食薬ドリンクや大久保愛先生が提唱するセルフケアについて、もっと詳しく知りたくなりましたか?
生活習慣全般に役立つノウハウが満載の書籍も、ぜひチェックしてみてください!!!
▼参考書籍

【書籍情報】
タイトル:心と体が潤う 食薬ドリンク図鑑
著者名:大久保 愛
出版社:山と渓谷社
形態:単行本
発売日:単行本 / kindle版/楽天kobo版
▼書籍では3つのパートでお悩み別の食薬が学べます。
Part1 不調別 心と体が健康でキレイになる食薬ドリンク
・美容の不調
・心の不調
・体の不調
・女性の不調
Part2 季節の食薬ドリンク
・春の食薬ドリンク
・長夏の食薬ドリンク
・夏の食薬ドリンク
・秋の食薬ドリンク
・冬の食薬ドリンク
Part3 お酒とコーヒーの上手な付き合い方
本記事は、書籍P10-11、21、70、114をベースにしています。イラストもとてもかわいく、読みやすい書籍、ご家族で取り入れやすい内容がいっぱいありますので。ぜひ手にとってみてください!
監修:大久保 愛(おおくぼ あい)
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)

