朝のコーヒーは目覚めを助け、夕方以降は眠りを妨げる可能性があることは睡眠情報ではよく聞く話。
だからこそカフェインを「どのくらいの量までOK?」、「何時まで飲むのが良い?」と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
実は最新の研究で、コーヒーを飲むタイミングが睡眠の質や体内リズムに大きな影響を与えることがわかってきました。
そこで、栄養学と睡眠学が専門である早稲田大学 名誉教授・広島大学 特命教授の柴田重信先生の監修のもと、良質な睡眠のためのコーヒーの飲み方を詳しく解説します。
特に珈琲愛好家は、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
この記事でわかること
- なぜ朝のコーヒーが夜の睡眠に良い影響をもたらすのか
- 夕方以降のコーヒーが睡眠を妨げるメカニズム
- 睡眠の質を高めるコーヒーの飲み方のポイント
朝のコーヒーが質の良い睡眠をつくる理由
「朝にコーヒーを飲むと夜眠れなくなりそう」と思われがちですが、実際は逆です。朝の適切なタイミングでコーヒーを飲むことは、夜の質の良い睡眠につながる大切な準備になります。
朝にコーヒーを飲むと、体重増加が抑えられる!?

ネズミを対象にした実験で、朝にコーヒーを与えたグループと夜に与えたグループを比較しました。
すると、朝にコーヒーを飲んだグループでは体重増加(特に内臓脂肪)が抑えられるという結果が得られました。
一方で、夜にコーヒーを与えたグループでは、その効果は見られませんでした。
これは、朝のコーヒーが体内リズムを整え、質の良い睡眠と覚醒のサイクルを作り出すことに関係しています。

朝のコーヒーで体内時計をリセット、夜の入眠がスムーズに
朝にコーヒーを飲むと、カフェインの作用で体内時計が「朝型」のリズムに整います。
研究では、朝にコーヒーを飲んだグループは日中の活動量が自然に高まり、夜になると自然な眠気を感じやすくなることが確認されています。
このように、朝のコーヒーは「昼間はしっかり活動し、夜はぐっすり眠る」という理想的な睡眠サイクルを作り出すきっかけになってくれるのです。

不規則な生活では、コーヒーの恩恵を受けにくい
コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を適度に刺激し、日中の活動力を高めてくれます。
ところが、夜型の生活リズムが続いていると、この効果が十分に発揮されません。夜遅くまで起きて不規則な生活をしていると、せっかく朝にコーヒーを飲んでも、体内リズムが乱れているため、夜の質の良い睡眠につながりにくくなってしまいます。
さらに、不規則な生活リズムは睡眠の質を悪くするだけでなく、朝に摂取したカフェインによる脂肪燃焼作用も得にくくしてしまう。つまり、体重管理の面でもコーヒーのメリットを十分に活かせなくなってしまうのです。
コーヒーを「睡眠&ダイエットの味方」にするには、まずは規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。

夕方以降のコーヒーが睡眠を妨げるワケ

2025年に発表された大規模研究では、40,725名を対象に、コーヒーを飲む時間帯と健康への影響を調査しました。
コーヒーを飲む時間帯を以下の三つに分類しをその効果を検証しています。
- 朝 (午前4時〜11時59分)
- 午後 (正午〜午後4時59分)
- 夕方以降(午後5時〜翌午前3時59分)
参考:Coffee drinking timing and mortality in US adults | European Heart Journal | Oxford Academic
午後3時以降のコーヒーは睡眠ホルモンを阻害する
この研究の結果、朝にコーヒーを飲む人ほど健康状態が良好で、特に午後3時頃までに飲み終えることが理想的だとわかりました。
その理由は、夕方以降のカフェイン摂取が睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を阻害するためです。メラトニンは夜になると自然に分泌され、私たちの体を「眠る準備」に導いてくれる大切なホルモンです。
ところが、夕方以降にカフェインを摂取すると、このメラトニンの働きが邪魔され、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりしてしまいます。
対象者のうち、朝型の飲み方をしている人では、質の良い睡眠を長期間とる習慣へとつながり、結果的に健康寿命を延ばすことにつながっていると考えられます。
また、このような摂取パターンは、全死亡率や心血管疾患死亡率の低下と相関しています。

一日中だらだら飲みは睡眠リズムを乱す
一方で、「一日中飲むタイプ(朝・午後・夕方以降すべて)」では、健康面でのメリットは確認されませんでした。
これは、夕方以降のコーヒーが体内時計や睡眠ホルモンの分泌を乱し、結果として睡眠の質を下げてしまうためです。
睡眠の質が下がると、疲労回復が不十分になり、日中の集中力低下や体調不良を引き起こすだけでなく、太りやすい体質にもつながるのです。
つまり、コーヒーの恩恵を最大限に受けるには、「朝から昼のうちに集中して飲むこと」が効果的な方法だと考えられます。

カフェインの働きを理解して、上手に活用しましょう
コーヒーの睡眠への影響を考える際は、実際にはカフェインの作用を理解することが重要です。
カフェインは交感神経を活発にして覚醒を促す働きがあります。そのため、朝に摂取すると日中の活動力が高まり、夜の自然な眠気につながります。逆に、夜に摂取すると睡眠の妨げになってしまいます。
もちろん、コーヒーにはポリフェノールなど他の有益な成分も含まれていますが、睡眠への影響を考える際は、主にカフェインの働きを意識することが大切です。
そのため、夜にコーヒーを控えても、緑茶や紅茶、エナジードリンクなどを多く摂取していれば、同じようにカフェインの影響で睡眠が妨げられる可能性がありますので要注意です。
良質な睡眠のためには、夕方以降はカフェインを含む飲み物全般を控えめにすることをおすすめします。

まとめ:良質な睡眠のためのコーヒーの3つのポイント
コーヒーは、「飲むタイミング」を工夫することで、睡眠の質を高める味方になってくれます。
研究からも、朝から昼にかけて飲むことで体内リズムが整い、夜の質の良い睡眠につながることが示されています。
良質な睡眠のためのコーヒーの飲み方として、以下の3つのポイントを意識してみましょう。
- 飲む時間:午後3時までを目安にして、夕方以降は控える
- 飲む量:1日2〜3杯程度にとどめ、睡眠への影響を考慮する
- 注意点:コーヒー以外の緑茶やエナジードリンクなど、他のカフェイン飲料にも気をつける
夜のぐっすり眠れる時間と、朝のすっきりした目覚めを手に入れるために、まずは今日から「午後3時以降のコーヒー」を見直してみませんか。
きっと、睡眠の質の変化を実感していただけるはずです。あなたのライフスタイルに合わせて試してみてくださいね。
この記事でわかったこと
- 朝のコーヒーは体内時計を朝型に整え、内臓脂肪の現象作用が期待できる
- 生活リズムが無だれていると朝のコーヒーの作用が得にくい
- 健康効果を高めるには午後3時までに飲むのが理想
関連書籍
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本記事を監修している柴田重信先生の「食べる時間でこんなに変わる時間栄養学入門」をチェックしてみてくださいね。
▼参考書籍

【書籍情報】
タイトル:食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門(ブルーバックス)
著者名:柴田重信
出版社:講談社
形態:文庫本 / kindle版/ 楽天kobo版
監修者
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)









