ぐっすりより「スッキリが鍵」!最高の覚醒を叶える、シフトワーカーの快眠術

夜勤やシフト勤務が続くなかで、「睡眠のリズムが整わない」「疲れが抜けにくい」と感じていませんか?

不規則な働き方に、心も身体もぐったり……なんてこともありますよね。

そんな日々だからこそ、自身で取り組めるセルフケアの工夫がとても大切です。

そこで今回は、産業医科大学の丸山崇教授に、シフトワーカーが無理なく続けられる睡眠や体調管理のセルフケア方法について教えていただきました。

今日から取り入れられるヒントが満載なので、ぜひ最後までチェックしてみてください!

この記事でわかること

  • 「最高の覚醒」を目指す、シフトワークに最適な睡眠の考え方
  • 無理なくできる睡眠リズムの整え方
  • 社会的時差ボケや睡眠負債を防ぐための実践ポイント
  • 睡眠の可視化によって改善のヒントを得る方法
  • 健診を通して体調の変化に気づき、予防につなげる視点
目次

睡眠の目的は「最高の覚醒」

睡眠というと、「深く、長く眠ること」に意識が向きがちですが、本当に大切なのは「覚醒」です。

どれだけ長く眠ったか、睡眠の質が良かったかではなく、すっきりと目覚めて元気に活動できるかどうか。そこに注目することが、睡眠の本質をとらえるうえで重要になります。

とくに夜勤を含むシフトワークでは、活動時間と睡眠時間が人とずれているため、「眠ったはずなのに疲れが取れない」「起きてもボーッとする」といった悩みを抱える方も少なくありません。

だからこそ、シフトワーカーは「よく眠れたか」よりも、「起きたあとに最高の覚醒を得られているか」を基準に、自身のコンディションを見直してみてください。

覚醒の質が上がれば、生活のリズムも安定し、自然と睡眠の質も整いやすくなります。

夜勤やシフト勤務があっても毎日を心地よく過ごすために、「最高の睡眠」ではなく「最高の覚醒」に意識を向けることが重要です。

博士が推奨!睡眠の“質”を上げるために今スグできるコツ6選!

長く深く眠ることよりも、日中にスッキリと覚醒できる状態を目指すことが大切です。ここでは、シフトワーカーが取り入れやすい「最高の覚醒」を得るための習慣を紹介します。

1:「眠気」を溜めて、一気に開放する

睡眠は、「ししおどし」に例えられます。日本庭園などにある、ししおどし(鹿威し)は、竹筒に徐々に水がたまり、ある一定の量になると、その重みで竹筒が頭を下げ水が一気にこぼれて空になる仕組みになっています。

睡眠も同様です、水が竹にたまるように「眠気」をためて、一気に開放するように眠りに入ることでぐっすりと深くて良質の睡眠が取れるようになります。

昼間に寝過ぎたり、夕方に仮眠を取るなどして、十分な眠気が溜まっていない状態だと、夜の睡眠は浅く、熟眠感が得られません。

「眠気」を溜めてから寝るのが、良い睡眠のための秘訣です。

2:「早寝早起き」はもう古い。早起き→早寝の順番を意識しよう

日本では「早寝早起き」が良いとされがちですが、実は順番としては「早起き→早寝」の方が理にかなっています。

早く起きて活動することで、夜になると自然と眠気が訪れるようになります。多少寝不足でも、早寝したい日はできるだけ早起きをしてみてください。

就寝前になってから「眠らなきゃ」と構えるのではなく、起床時の行動から整えていきましょう。

3:眠くなったら、諦めて寝よう

眠気を感じたときには、無理に我慢せず「諦めて寝てしまう」くらいの気持ちが大切です。

眠気の波は90分〜120分ほどの周期で訪れるため、タイミングを逃すとしばらく眠れなくなることもあります。

やり残したことがあっても、眠くなったら諦めて寝る。そのほうが、翌日のパフォーマンスが上がり、結果的にやり残した作業も含めて効率よく進められるはずです。

4:寝だめはできない!毎日しっかり眠っておくことが大切

忙しくて寝不足なときは「休みの日にまとめて眠れば大丈夫」と考えてしまうこともありますが、残念ながら寝だめはできません。

逆に、睡眠が不足すると「睡眠負債」として蓄積され、心身にさまざまな不調を引き起こす原因になります。

睡眠負債は、膨れ上がった借金と同じようなもので、1日や2日ですぐには取り戻せるものではないといわれています。回復には数週間かかることもあり、その影響は意外と深刻です

そのため、眠れるときにはしっかりと眠っておくことが大切。とくに、夜にぐっすり眠れるタイミングは逃さずしっかり眠りましょう。

5:休みの日だけ長く眠る習慣は「社会的時差ボケ」の引き金に

平日は寝不足気味で過ごし、休日に長く眠る習慣が定着していませんか?

実は、普段よりも2時間以上長く眠ると「社会的時差ボケ」と呼ばれる状態を引き起こし、体内時計が乱れてしまう可能性があります。

これにより、夜の寝つきが悪くなったり、日中の集中力が落ちたりと、かえって不調を感じやすくなるため注意が必要です。

シフトワーカーでも、できるだけ毎日の睡眠時間をしっかりと確保し、平日の寝不足を防ぎましょう。

ただし、連日の睡眠不足で強い眠気を感じているときには、体内時計が乱れたとしても睡眠時間の確保を優先してください。

6:「筋肉」を緩めて、リラックスして寝る

自律神経には、緊張状態で働いている「交感神経」と、リラックス状態で働く「副交感神経」があります。この中で、良い睡眠のためには、リラックスをもたらす「副交感神経」が働いていることが重要です。

副交感神経を活動させるための方法として、筋弛緩法があります。

これは、一度、筋肉に力を入れて、少し緊張状態にした後に、一気に全身の力を抜いて、筋肉を緩めます。

ポイントは、一度、力を入れて緊張状態を作ることです。少し力を入れて交感神経を働かせた後に、力を抜くことで副交感神経が働き、筋肉がゆるみ、リラックスして深い睡眠に入ることができるようになります。

睡眠を可視化して、健康を管理しよう

忙しい毎日の中で、実際にどれだけ眠れているかを正確に把握するのは難しいですよね。

そんなときに役立つのが、睡眠日誌やウェアラブルデバイスを活用した「睡眠の可視化」です。

紙やアプリに記録するだけ!睡眠日誌をつけてみよう

睡眠日誌とは、自分の寝た時間・起きた時間、途中で目が覚めたかどうか、寝つきや目覚めの感覚などを手書きやアプリで記録していく方法です。

書き出してみることで、意外と睡眠時間が足りていないことに気づいたり、休日と平日のリズムに差があるといった傾向が見えてくることもあります。

スマートウォッチなど特別な機器がなくても、今すぐ始められるのが嬉しいポイントです。医療機関の不眠治療などでも、睡眠の調子などをチェックするために活用されています。

簡単な睡眠表を貼っておきますので、紙に書いて管理したい方はぜひご活用ください。

ー 睡眠・覚醒リズム表 ー
睡眠・覚醒リズム表(PDF)をダウンロード

ウェアラブルデバイスを活用すれば、自動で睡眠状態を記録できる

ウェアラブルデバイスとは、スマートウォッチやスマートリングのように腕や指に装着して、睡眠時間や心拍数、寝返りの回数などを自動で記録してくれるアイテムです。

自動で記録され、アプリを通じて簡単にチェックできるため、忙しい方でも気軽に取り入れられます。

最近では、企業が健康経営の一環としてスマートウォッチを従業員に配布し、睡眠状態の可視化によって生活習慣を整える取り組みも始まっています。

ウェアラブルデバイスで睡眠を可視化することで、睡眠に対する意識が高まり、どこを見直せばよいのかも見えてきやすくなります。客観的に睡眠を振り返ることで、自分に合った眠り方が少しずつわかってくるはずです。

まずはご自身にとって無理のない方法で、睡眠を「見える化」することからはじめてみてください。

年2回の健康診断では、数値の変化をチェックしよう

健康診断は、自分の体の状態を知るための大切な機会です。

とくにシフトワークに従事している方は、年2回の定期健診が義務づけられています。健康への影響が出やすいシフトワーカーだからこそ、健康診断の機会をしっかり活かしましょう。

診断結果はABCなどの判定記号に目が行きがちですが、実際に見ていただきたいのは、過去の数値と比較した変化です。

正常範囲であったとしても、数字の推移に注目し、自身の中で何が変わってきているのかを確認してみてください。

また、シフト勤務者は乳がんや前立腺がんのリスクが高まるという指摘もあり、がん検診も積極的に活用していきたいところです。

年に2回、自分自身の健康を見直す時間をしっかり取ってみましょう。それが、シフトワークを続ける上での「自己防衛」につながるはずです。

まとめ:シフトワークの不調に気づき、無理なくできるケアで心と身体を整えよう

夜勤やシフト勤務にともなう不調は、働き方を変えられないからこそ、自分自身でできる対策が重要になります。

「眠らなきゃ」と頑張りすぎず、目を閉じて自然とリラックスして休む、早起きを意識する、生活を記録して客観視する――そんな小さなセルフケアの積み重ねが、体と心のバランスを整える大きな力になります。

健診や記録を通して「自分の変化に気づく力」を育てながら、無理なく続けられる習慣を見つけていきましょう。

まずはひとつだけでもいいので、自身に合ったセルフケアを始めてみてください!

この記事でわかったこと

  • 睡眠よりも「覚醒」を意識した生活習慣を取り入れよう
  • 睡眠改善は構えすぎず、気楽に取り組むことが重要
  • 寝だめはできない、社会的時差ボケを引き起こす原因にもなるため注意
  • 睡眠日誌やスマートウォッチで睡眠を可視化するのがおすすめ
  • 健診結果は数値変化をチェックして不調を早期発見しよう

監修:丸山 崇

*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)

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