ぐっすり眠るためにはアイマスクをつけると良いと聞くけれど、どうして必要なのか、疑問に思ったことはありませんか?
真っ暗だと少し不安だったり、夜中に外れてしまったり。実際に使ったことがある方でも、あまり意味がないように感じるかもしれません。
しかし、私たちの目はまぶたを閉じていても光を感じ取り、わずかな明かりでも脳が覚醒しようと働くことがわかっています。そのため、窓から入ってくる街灯の明かりや充電ランプなどの小さな光でも、睡眠の質を下げる原因になるのです。
こうした理由から、専門家の多くがアイマスクの活用を勧めています。
そこで今回の記事では、睡眠環境・寝具指導士の大木都(編集長:さとちゃん)が、アイマスクの必要性と選び方をわかりやすく解説します。
さとちゃんアイマスクを使うべきか迷っている方は、ぜひ最後まで参考にしてみてください!
この記事でわかること
- アイマスクが睡眠の質を高める理由
- 寝室のわずかな光が脳を刺激し睡眠を浅くするメカニズム
- 見張り番機能が働くことで起こる中途覚醒の仕組み
- 理想的な暗さとアイマスクの形・素材の選び方
アイマスクって必要?寝室の意外な光と快眠効率への影響
もしかしたらみなさんがイメージするアイマスク着用シーンは飛行機や新幹線の移動中などの昼寝に使うイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、毎日の自宅寝室で日常的に使ってほしいアイテムの1つが、アイマスクです。
理由を詳しく解説する前に、まずはご自宅の寝室環境が快適なのかチェック法をご案内します。



自室の夜間環境を見直してしてみましょう!


本当に寝室は暗く、光はないのか?
ご自宅の寝室は暗いですか?
是非一度、本当に暗いのかを寝室でチェックしてみてください。
夜間の寝室の暗さをチェックする方法
◉前提
必ず夜間に、実際に寝ている環境の寝室で行ってください。
◉ステップ①暗闇に目が慣れた状態を作ります。
・夜に目が覚めた時に、室内を見ます(日の出前の時間に限る)
・照明を消してから30分程度経過するまで暗闇に目を慣らします
◉ステップ②室内を見渡して見みます。
確認1)暗闇に慣れた目で寝室の配置が把握できますか?
確認2)電源ランプなど、光っている光源はないですか?
確認3)窓の外から入る明かりは明るくないですか?
光が室内からも窓からも無く、真っ暗だったら睡眠を阻害する光は無い寝室です。
みんさんに試していただくと、多くのケースで 「意外と明るい!」と気づく事が多いです。この意外な光が常にある寝室は、言い換えると「睡眠を阻害されつつ、毎日寝ている状態」なのです。
同じ睡眠時間をとるのに、睡眠阻害される影響を受けながら眠っているなんて、実にもったいないですよね。涙



では、なぜ照明を消した寝室が明るいのでしょう?
実際にチェックされた方は気付いたと思いますが、寝室にはエアコン・空気清浄機・スマホ充電器・加湿器・PCなどなど、いろんなデバイスの充電or電源ランプが夜間の寝室で明るく光っています。
しかも、電源ランプが青く光り輝いているケースもあります。スマホのブルーライトが睡眠に悪いってこんなにも多くの方が知っているのに、充電ランプの水色光がベッドサイドで室内を照らしていることも多いのが実態です。



特に一人暮らしのワンルームでは、ベッドまわりの電源での睡眠阻害に要注意!
1つの部屋に様々な家電があるので、眠っている間に光の刺激を受けて睡眠を浅くしている環境を無意識のうちに作っているケースが多いです。せっかく同じ睡眠をとっても、寝起きの疲労感が取れにくくなります。


ここで皆さんは電源ランプ程度で。。。って思っているでしょうか。寝ているのにも関わらず、小さな充電ランプ程度の光で刺激を感じて睡眠が浅くなるなんてあるのでしょうか?



実際、自分をふくめて改善指導を試した結果、私は影響がある方は多いと感じています。
就寝中の光が睡眠を妨げる理由は?
ちょっと広いお話しになりますが、人類の進化を思い出すことでわかりやすくなります。
人類は長い進化の過程の中で、夜間は休息し、昼間に活動するという概日リズムを身につけてきました。
このリズムは、光と闇という自然のサイクルに深く結びついていて、光は体内時計をリセットし、睡眠と覚醒のバランスを保つ上で重要な役割を果たしています。光は目覚めへの誘導になる重要なサインなのです。これは多くの方が知っている睡眠知識ですよね。
つまり、夜の寝室であっても充電ランプなどで、人工照明やデジタルデバイスからの光に常に晒される環境に置かれているのが現代です。これらの光は眠っている脳に誤った信号を送り、睡眠を妨げる要因となります。
寝ている間は寝返りを繰り返すのが一般的です。例えば、真っ暗な方向をむていた後、寝返りをうったときに充電ランプで光があったとします。



寝返りで、まぶた越しに急に光を感じることで身体の生存センサーが自動で働き「起きるべきなのかな?まだ大丈夫かな?」と脳がリサーチすることが、睡眠を浅くするわけです。
見張り番機能:寝ていても脳が持つ生存メカニズムがサーチ中
就寝時に脳がリサーチする機能の1つに「見張り番機能」があります。
私たちの脳は、外界からの情報を常に監視し、危険を察知する役割を担っています。これは、野生で進化してきた人類が生存するために、敵をいち早く察知すべきだった名残です。
夜間、特に暗い洞窟の中で眠っていた私たちの祖先は、外敵から身を守るために、わずかな光にも敏感に反応する必要がありました。
少しでも光を感知すると、脳は「危険が迫っている」と判断し、すぐに覚醒できるように準備を始めます。
眠っていても目や耳から入る刺激に危険がないか反応をする、これが見張り番機能です。


当然ながら生存メカニズムとしては不可欠な防衛機能で、進化の過程で獲得されたものです。もちろん就寝時の反応は、個人差はありますが現代人の私達にも備わっています。



この機能は自然に動くので、あなたが意識的に「スイッチOFFにしよう♪」と思っても切れる機能ではなく、勝手に見張っていてくれています。
現代社会では、見張り番機能が誤作動しやすい
現代社会では、外敵から身を守る必要性は減りましたが、脳の「見張り番機能」は、いまだに私たちの行動に大きな影響を与えています。
例えば、就寝前にスマートフォンを操作していると、画面から発せられる青い光が網膜を刺激し、脳は「まだ昼間だ」と誤解してしまい体内時計は後ろにずれることは様々な研究で報告されています。
これにより、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌が抑制され、眠気が妨げられます。また、脳は常に周囲の状況に注意を払い続け、浅い睡眠状態に陥りがちになります。


ストレスが多い状態なら、より過敏に反応する?
寝室の暗さ確認を試していただいた方は実感したと思いますが、意外なほどに深夜にみる電源ランプは明るく、直視すると眩しいくらいです。
特にハードワークや受験勉強などが続いているストレス度が高い方は要注意。普段より刺激を敏感に受け取りやすくなっているとカウンセリングをしていても感じています。
またホルモンの乱れで自律神経が過敏な状態になっている更年期時期の男女、生理周期で睡眠不調を感じる女性でも過敏になるケースがあるから気をつけましょう。
ストレス負荷が高い状態では身体は危機感を常に感じている過敏状態なので、あなたの見張り番機能がより過敏に動いているかもしれません。
さらに見張り番機能の研究(*1)では、ヒトにとって重要で関連性のある刺激がより容易に覚醒を引き起こすことが示されています。



出産直後で育児中のママは、過敏に反応しがちだと自分の経験でも感じていました。
途中覚醒が多く、眠りが浅いと感じているなら早めに睡眠改善になる対策をしたいですね。
寝室は「真っ暗」が理想な理由
見張り番機能が過敏に働かないようにするためにも、静かで暗い就寝環境はとても重要です。就寝環境が真っ暗な方が睡眠効率が良いことは様々な研究で証明されています。
真っ暗な環境で寝ることで、どんなメリットが有るのでしょうか?
- リラックス効果: 暗闇は、リラックス効果を高め、ストレスを軽減する効果があります。
- 熟睡サポート: 刺激が減ることで途中覚醒が減って、睡眠時間が伸びることが期待できます。
- 体内時計の安定: 規則正しく暗い環境で睡眠がとれることで体内時計が安定しやすく、朝スッキリ起きられることにつながります。
- メラトニン分泌を促す:ブルーライトなどの光を遮断し、暗い環境を作れることでメラトニンの分泌につながりやすくなります。
- 途中覚醒の減少とレム睡眠:レム睡眠は一般的に朝方に多く出現する睡眠ステージです。睡眠を朝まで維持できることで、脳の休養&記憶の定着など重要な役割を果たすレム睡眠を維持しやすくなります。


なお、暗闇を怖がるお子さんも多いと思いますが、子どもの就寝時にも同じく真っ暗が理想です。できる限り暗い環境を作れるようにしましょう。
天井の照明にある豆電球をつけることは避け、フットライトを入れて、眠っているときは目元に光を感じないように光をコントロールするのも上手な方法です。目が暗闇に慣れた状態でもぼんやりと見える程度の暗さが理想的です。
毎日アイマスクで、寝室の意外な光をシャットアウト!
寝室の光をすべてコントロールすることが難しい方もいらっしゃると思います。そこで、おすすめしたいのが就寝時のアイマスクを毎日着用する習慣です!
アイマスクはどんな形状がいいの?



実際に試した方は思うかもしれません。朝方にアイマスクが残念ながら目元にいないことに。。。!
眠っていると外れてしまうことも多いですよね。そこで私が推奨するアイマスクは頭をぐるっと囲って装着するカタチを推奨したいです。対して一般的には写真の上にある耳に引っ掛けるタイプをイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、最近のアイマスクは耳までぐるっとくるむタイプの形状が種類豊富になってきました。まずは、よく見かける耳で着用するアイマスクのデメリットとメリットをまとめてみましょう。


耳で装着する(引っ掛ける形状)アイマスクの特徴
頭を包み込むタイプ(耳も覆うタイプも含む)アイマスクの特徴
アイマスクは朝までしっかりホールドしてくれることが大事。寝返りでの充電ランプの影響などを防ぎたいからこそ、着用する形状はホールドするサポート力が高いので断然おすすめです。
そして、目元から後ろまでホールドすることで、自然と耳も覆って温めてくれます。これが見張り番機能の防音効果にダブルで効果を発揮するメリットがあります。


耳を温め&塞ぐことへの睡眠効果は?



耳をふさぐ構成のアイマスクが理想だという理由は、無駄な音をシャットアウトすることで見張り番機能への刺激を減らすことがます1つと言えます。
そして合わせておすすめしたいのは温め効果です。耳を温めることで、血行が促進され、リラックス効果が得られます。また、耳には多くのツボが存在し、耳を温めることで、これらのツボを刺激し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
また少し漢方養生のお話をさせていただきますが、漢方では耳は「腎」と深く関係していると考えられています。腎は、腎臓とは異なる漢方の考え方で、生命エネルギーの根源であり、腎の働きが低下すると、様々な不調が現れます。
嫌でも毎年のように大人の階段を登る私達、加齢と共に腎はエネルギーが無くなっていくので、特に腎を補う活動は元気をチャージすることが大事。漢方養生の視点では耳を温めることで、この腎の働きを助け、体のバランスを整える効果がある、とされています。
実際、耳栓をつけて防音をし、耳をカバーするタイプのアイマスクを着用するようになって、私自身の睡眠の質はバク上がりしたと感じました。とっても快眠です。大人の仲間には特に声を出しにしてお伝えしたい!



寝てる間に自然とできる耳の温めは、簡単にできる腎へのセルフケアなので、耳を温めるアイマスクの形状をおすすめしたいです。
アイマスクの素材は、どんなものがいい?
形状の次にチェックしたいのは、アイマスクの素材。選ぶ際には、肌触りの他、目元をサポートするアイテムなので美容視点でもお肌に負担のない良い素材を選び、しっかり投資して利用していただきたいと思います。
シルク/絹
天然素材のシルクは肌触りが良く、通気性も優れているため、敏感肌の人にもおすすめです。
保湿などの効果も期待できるため、目元や髪の美容サポートにも効果的。睡眠環境・寝具指導士としてシルクの素材構成から寝具の効果まで幅広く学んでいるのですが、本当にシルクは就寝時の体温変化や湿度変化がある環境に良い素材です。
具体的には吸湿性・放湿性に優れていて、静電気が起こりにくく髪にも優しい保護効果が期待されます。その上で、天然素材の特徴として人間の皮膚に近いアミノ酸を含んでいるので、素肌にもとても優しい素材です。
ただし、自宅での洗濯は手洗いが理想です。洗濯方法は注意しましょう。
コットン/綿
吸湿性が高く、一年を通して快適に使用できる素材です。
また、コットンは洗濯も簡単なので衛生的に使うことができることもメリット。寝具は清潔なものほど、快眠にるなるので気兼ねなく洗濯が出来る利点があります。
温熱効果の素材
遠赤外線などの温熱効果を使った特殊機能繊維材のアイマスクもあります。
ゲルマニウムを含むレアアースなどを使用している素材、小豆を入れているアイマスクなどもあり、ホットアイマスクの効果を期待できます。



様々使ってみた結果、さとちゃん個人的にはシルクがイチ推しです。
私があらゆるアイマスクを実際に使用し、その中でも特によかったアイマスクランキングもぜひチェックしてみてください!


まとめ:アイマスクを使った「光ケア」で、睡眠の質を高めよう
脳の見張り番機能は、私たちの祖先が生き抜くために必要だった機能ですが、現代社会では、かえって睡眠の質を低下させる原因となっています。
就寝前の光を避け、リラックスできる環境を整えることで、質の高い睡眠を得ることができます。アイマスクには、睡眠の質向上以外にも、様々なメリットがあります。
◉旅行や昼寝に便利
コンパクトに収納でき、どこでも手軽に使用できるため、旅行や昼寝にも便利です。
◉遮音効果
一部のアイマスクには、遮音効果があるものもあり、騒音から解放され、より深く眠ることができます。
◉リラックス効果
温熱効果のあるアイマスクを使用することで、目の周りの筋肉をリラックスさせ、眼精疲労の緩和にもつながります。



是非試してもらいたいグッズなので、睡眠の質が気になっている方は、アイマスクを試してみてください。
この記事でわかったこと
- アイマスクは寝室の小さな光を遮り、深い睡眠を保つ必須アイテム
- 光刺激は脳を覚醒させ、わずかな明るさでも睡眠を阻害する
- 見張り番機能は生存本能による反応で、真っ暗環境で抑えられる
- 頭を包むタイプのシルク製アイマスクが、光と音を最も防ぐ
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監修
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登






















