【薬日本堂監修】眠っても疲れが取れないあなたへ。漢方養生で叶える極上の睡眠

「布団に入ってもなかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」……。こうした不眠の悩みを抱えている方は少なくありません。

睡眠の質が悪いと、日中の集中力が低下し、体調にも影響を及ぼします。とはいえ、睡眠の質をよくするために何をすればいいのか、わからない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師の飯田勝恵先生に「睡眠養生=睡眠の悩みが和らぐ漢方養生」について教えていただきました。

漢方養生では、不眠の原因を「陰陽のバランスの乱れ」と考え、それぞれのタイプに合わせた対策を取ることで、自然な眠りへと導きます。日々の生活に取り入れやすい養生法を知り、自分に合った快眠習慣を見つけてみましょう。

この記事でわかること

  • 不眠の原因と漢方養生の視点での考え方
  • 漢方養生における陰陽の不眠とは
  • 更年期や加齢の不眠には陰陽両方の要素が関係すること
  • 生活習慣や食養生が睡眠の質に与える影響
  • 不眠のタイプに応じた具体的な漢方的セルフケア
目次

睡眠の悩みに、漢方養生が効果的な理由

質のよい睡眠を得るためには、日中に適度な活動をし、夜は心を落ち着ける時間をつくることが大切です。漢方養生では、生活習慣や体質に合わせた方法でぐっすり眠れる身体の土台を整えていきます。

漢方の視点で考える不眠の要因を知ると意外な発見が。

不眠の要因は、日々の生活習慣に隠れていることが少なくありません。

特に、次のような生活習慣は、不眠を引き起こす要因となるため注意が必要です。

▼漢方の視点で考える不眠の要因

  • 脂っこいものや甘いもののとりすぎ
  • 運動不足
  • 喫煙
  • アルコールやカフェインの過剰摂取
  • 夜遅くまで強い光や音の刺激を受ける

意外に感じるかもしれませんが、「脂っこいもの」や「甘いもの」の摂り過ぎが、不眠の要因になることは古来より知られています。

また、運動不足も血の巡りを滞らせ、身体を冷えやすくするため、気づかないうちに睡眠に影響を与えてしまいます。強い光や大きな音の刺激も交感神経を高ぶらせ、心身が休まりにくくなるため注意が必要です。

さらに、タバコに含まれるニコチンや、コーヒー・お茶などのカフェインには神経を刺激する作用があり、寝つきを妨げることがあります。

アルコールは一時的に眠気を誘いますが、途中で目が覚めやすくなるため、かえって睡眠の質を下げてしまいます。寝つきが悪くて「寝酒」を習慣にする方もいますが、本質的な解決にはなりません。お酒に頼るのではなく、生活習慣を整えることで、自然と心地よい眠りを目指していきましょう。

陰陽バランスの乱れが引き起こす不眠

漢方では、不眠は陰陽バランスの乱れによって起こると考えます。

夜は陰の時間であり、本来は体を休めるべき時間です。陰陽のバランスが乱れると、夜にしっかり眠ることが難しくなります。

「陰の不眠」と「陽の不眠」

不眠には大きく分けて「陰の不眠」と「陽の不眠」があると考えられ、それぞれ特徴が異なります。

陽の不眠は、交感神経が過度に活発になり、興奮やイライラ、目が冴えて眠れない状態を指します。これは、気の巡りが過剰になり、熱がこもることが原因とされています。

一方、陰の不眠は血やエネルギーが不足し、疲れているのに眠れない状態を指します。夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅かったりするのが特徴です。

これらのタイプに応じた養生を取り入れることで、自然な眠りを取り戻す手助けができます。

みんなの悩み!更年期や加齢による不眠

更年期や加齢に伴う不眠は、「陰の不眠」と「陽の不眠」の両方の要素を持つことが特徴です。

たとえば、「陽の不眠」 に分類されるのは、のぼせやホットフラッシュなど熱がこもるタイプの不眠です。このタイプの方は、気が上へと昇りやすく、夜になっても神経が高ぶり、寝つきが悪くなります。イライラしやすい、寝汗をかくといった症状がある場合も、陽の不眠の可能性が高いです。

一方で「陰の不眠」 に該当するのは、疲れているのに眠れない、眠りが浅く何度も目が覚めるといった状態です。加齢や更年期の影響で血が不足し、身体が十分に休まらないため、寝ても疲れが取れにくくなります。特に、気持ちが沈みやすく、考えすぎてしまう傾向がある方は、血の不足による陰の不眠が疑われます。

更年期の不眠は、この「陰の不眠」と「陽の不眠」が混在するケースも多いため、漢方養生では自身の症状に合わせた対策が求められます。陽の不眠なら、気の高ぶりを抑えリラックスを促す習慣を。陰の不眠なら、血を補い心身をゆるめる養生を意識することが大切です。

あなたはどの不眠タイプ?簡単にできる診断を試してみよう

不眠にはさまざまなタイプがあり、その原因や対策も人それぞれ異なります。

薬日本堂のWEBサイトでは、簡単にできる「不眠タイプ別チェック」 が用意されています。まずは気軽にチェックし、自分の不眠がどのタイプに当てはまるのか確認してみましょう!

▼ページ下部の診断を試してみましょう
薬日本堂 公式サイト|不眠に対して漢方でできる体質改善とは

睡眠のための漢方養生

睡眠の質を高めるには、自然のリズムに沿った生活を意識することが大切です。一日の過ごし方や季節ごとの生活を見直し、無理のない範囲で心地よく眠れる身体に整えていきましょう。

睡眠の質を高める生活養生

良質な睡眠を得るためには、一日の過ごし方を整えることが大切です。

漢方では、陰と陽のバランスを意識し、自然のリズムに沿った生活を心がけることが推奨されています。

生活習慣養生のポイント
日中の生活養生・朝は決まった時間に起きる
・太陽の光を浴び、適度に運動する
・ストレスをためず、気の巡りを意識する
・目を酷使しすぎない
夜の養生・デジタル画面やテレビを長時間見ない
・夕方以降は難しいことを考えすぎない
・23時までに布団に入る
・眠れなくても横になるだけで養生になる
就寝前の習慣・ぬるめの入浴で身体を温める
・ストレッチや呼吸法でリラックスする
・ツボ「安眠」を刺激する(3秒かけて押し、3秒かけて離す×6〜10回)
睡眠の質を高めるために・生活リズムを一定に保つ・夜更かしを避け、自然のリズムに沿った生活を意識する
・「眠れなくても横になること」が重要

漢方養生では、23時までに布団に入ることが理想といわれています。

この時間帯は「胆(たん)」が活発になり、「血(けつ)」の巡りが整い、身体の回復がスムーズに進むと考えられているからです。たとえ眠れなくても、横になるだけで血が肝に戻り、身体が休まるため養生につながります。

また、夜型生活を続けると、自然のリズムから外れ、不調を招く可能性 があります。日中は活動的に過ごし、夜はリラックスする時間を意識することで心身のバランスが整い、自然な眠りを取り戻しやすくなるでしょう。

睡眠の質を上げる食養生

不眠を改善するためには、日々の食事から体を整えることが大切です。

特に、漢方では「血(けつ)」が精神活動を支えると考えられています。血が不足すると、眠いのに眠れない、眠りが浅いなどの不調が起こりやすくなります。

また、夜遅い時間の食事や、消化に負担のかかる食べ方は、睡眠の質を下げる原因になります。バランスの取れた食養生を取り入れ、内側から眠りを整えていきましょう。

食養生のポイント具体的な内容
血を補う食材を取り入れる・赤いもの(レバー、なつめ、クコの実)
・黒いもの(黒ごま、黒豆、黒きくらげ)
夕食の時間と内容を工夫する・夕食は早めに、軽めに
・寝る直前の食事を避ける
消化を助ける食べ方を意識する・ゆっくりよく噛んで食べる
・胃腸に負担をかける脂っこいものを控える


赤や黒の食材には「血(けつ)」を補い、巡らせる力があるとされています。日々の食事に意識的に取り入れることで、内側から体を整えましょう。

また、夕食はできるだけ早めに、消化に負担をかけないものを選ぶことがポイントです。

寝る直前に食べると胃腸が活発に働き、深い眠りを妨げる原因になります。ゆっくりよく噛んで食べることで、胃腸の負担を軽減し、リラックスした状態でぐっすり眠りやすくなります。

陰陽のタイプ別!漢方養生で快眠セルフケア

陰の不眠と陽の不眠、自身のタイプがどちらかわかったら、タイプ別の養生を試してみましょう。

陽の不眠のためのセルフケア

陽の不眠とは、気の高ぶりやストレスによって脳の温度が下がらず、寝つきが悪くなるタイプの不眠です。

漢方的にみると「陽から陰への切り替えがうまくできていない」ことが原因と考えられています。夕方以降は、陰の時間へスムーズに移行できるような養生を意識することが大切です。

セルフケアのポイント具体的な方法
入浴で頭の熱を下げる・半身浴や足湯を取り入れる
・シャワーで済ませず、湯船に浸かる
・「頭寒足熱」を意識し、足元を温める
照明の色を調整する・夕方以降は昼白色(白い光)を避ける
・電球色など暖かみのある光に切り替える
気の巡りを整えるお茶を飲む・日中はジャスミンティー
・夕方以降はカモミール、ミント、菊の花、ラベンダー、みかんの皮などを使ったお茶を選ぶ
生活リズムを整える・起床時間と就寝時間を一定にする
・朝7〜9時(胃の時間)に朝食を摂る

陽の不眠は頭に熱がこもり、足元が冷えていることが多いため、「頭寒足熱」を意識して足元を温めることが大切です。特に半身浴や足湯を取り入れることで、熱が下がりやすくなり、寝つきがよくなります。

また、照明の色を変えるだけでも、陰への切り替えをサポートできます。白色の強い光は脳を活性化させてしまうため、夕方以降は電球色などの落ち着いた明かりを使うようにしましょう。

さらに、気の巡りを整えることも重要です。日中はジャスミンティーなどで気の流れをスムーズにし、夜はカフェインを含まないハーブティーを取り入れると、リラックスした状態へと導かれます。

睡眠リズムを安定させるためには、朝の生活習慣も重要です。特に、胃が活発に働く7〜9時に朝食をとることで、体内時計が整い、夜のメラトニン分泌にも影響を与えると考えられています。食欲がない場合は、温かいスープやお粥など、消化に優しいものを取り入れるとよいでしょう。

陰の不眠のためのセルフケア

陰の不眠は、疲れているのに眠れない、眠りが浅くすぐ目が覚めるといった特徴があります。

漢方では、「血(けつ)」が不足していることで精神が安定せず、深い眠りにつながらないと考えます。血を補い、心身を落ち着かせる養生を取り入れるのが効果的です。

セルフケアのポイント具体的な方法
血を補う食材をとる・赤い食材(なつめ、クコの実、レバー)
・黒い食材(黒ごま、黒豆、ひじき)
目と脳の負担を減らす・夕方以降はスマホやPCの使用を控える
・ブルーライトを避けるため、画面の明るさを落とす
リラックスできるお茶を飲む・クコの実、なつめ、ラベンダーのハーブティー
・体を温めるため、ホットで飲む

陰の不眠の方は、「血を補うこと」が睡眠の質を上げるポイントです。特に、赤い食材(なつめ、クコの実、レバー)や黒い食材(黒ごま、黒豆、ひじき)は、血を養い、体を内側から整える効果が期待できます。

また、目と脳を使いすぎると血を消耗しやすくなるため、夕方以降はスマホやPCの使用を控え、脳を休める時間を意識的につくることが大切です。ブルーライトを避けるため、画面の明るさを落とすだけでも効果があります。

さらに、なつめやラベンダーを使ったハーブティーは、心を落ち着かせ、リラックスへと導いてくれます。特にホットで飲むと、体を内側から温めることができ、より深く眠りやすくなります。

まとめ:睡眠養生で、もっと心地よく幸せな毎日を!

不眠の悩みは、体質や生活習慣によって異なります。

漢方では、「陰の不眠」「陽の不眠」といったタイプがあると考え、それぞれの体質に合った養生を取り入れることが大切です。

陽の不眠は気の高ぶりやストレスが原因となるため、リラックスを促す入浴や、照明の調整、気の巡りを整えるお茶などが効果的?です。一方、陰の不眠は血の不足が関係しているため、栄養をしっかりと補い、目や脳を休める習慣が重要になります。

また、日々の生活リズムを整えることも、不眠改善の大きなポイントです。太陽の光を浴び、適度に体を動かし、夜は穏やかに過ごすことで、自然な眠りが訪れやすくなります。

自身の不眠タイプを知り、無理なく続けられる養生を実践することで、睡眠の質を高めていきましょう!

この記事でわかったこと

  • 不眠は陰陽バランスの乱れが関係し、夜の過ごし方が重要
  • 陽の不眠は気の高ぶりが原因で、入浴や環境調整が効果的
  • 陰の不眠は血不足が原因で、食養生や脳の休息が必要
  • 更年期や加齢の不眠は、陰陽のバランスを整えることが大切
  • 漢方では「眠れなくても横になること」自体が養生になる

関連書籍

漢方について、もっと詳しく知りたくなりましたか?本記事を監修している飯田勝恵先生の著書「やさしい漢方 未病の地図帖 不調の原因とセルフケアがよくわかる」もチェックしてみてくださいね。

▼参考書籍

【書籍情報】
タイトル:やさしい漢方 未病の地図帖 不調の原因とセルフケアがよくわかる
著者名:飯田勝恵(著)薬日本堂(監修)
出版社:家の光協会
形態:単行本 / kindle版/楽天kobo版

発売日:2024年2月17日

監修:飯田 勝恵(いいだ かつえ)

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