【睡眠誤認】不眠と思い込むと悪化する!?実際にはぐっすり眠れているケースも!

なかなか眠りにつけない、夜中に何度も目が覚めてしまう。

そんな状態から、「私、不眠では?」と悩んでしまうことはありませんか?

誰でも眠りにつけない夜はあるものですが、それが何日も続くと不安になりますよね。実は、そんな「不安な気持ち」や「不眠かも」と感じることが、かえって睡眠の質を下げていることもあるのです。

睡眠中は眠っているので、無意識になります。なんとなく「なかなか眠りにつけない」「何度も目が覚めた」と思っても、実際に何分くらい目覚めているのか自覚するのは困難です。

しかし現在は、スリープテックの進化により、自宅でも睡眠状態を確認できる様々なサービスが利用できるようになりました。睡眠脳波計測やスマートウォッチを使って睡眠を可視化することで、実際の睡眠状況がより明確にわかってきています。

そして驚くことに、多くの人が自覚している以上に深く眠れているケースが多いことが判明しています。

では、不眠だと感じる理由と、その背後にある意外な真実について、一緒に見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 不眠症だと誤解してしまう理由
  • 研究で分かった「勘違い不眠」の正体
  • 不眠かも、と不安なときの対処法
目次

眠れていない?それとも思い込み?

眠っている間は意識がなくなるため、自分の睡眠を主観(自分感覚)では判断ができません。

「眠れない」と思い込んでいる方でも、実際に睡眠時の脳波計測システムで正確に客観的なデータを調べて見ると、意外と質が良く眠れているケースが多くあります。

睡眠の質は意外といいはずなのに、自分で「不眠だ」「眠れていない」と、思い込みによる不安が睡眠の質を悪化させている可能性があるんです。

どうして「不眠かも?」と思ってしまうケースが生まれるの?

夜中に、何度も目が覚めてしまう経験はありませんか?

ベッドに入ってから、まだ1時間しか経っていない」「2時に目が覚めたのに、4時にもまた起きてしまった」といった状況です。

こうしたことが続くと、「不眠かもしれない」「また2時に毎日目が覚めてしまうかも」と不安になってしまうこともあります。

実は、現在は上級睡眠指導士として活動している専門家自身も、かつては同じように「眠れない」と不安に思っていたことがありました。

多くの不眠は「思い込み」だった!

そんな眠れていないと感じているのは脳の「思い込み」が原因かもしれません。

例えば、夜中に1時間眠って目が覚めたとします。その時は「目が覚めた」という記憶が残りますが、再び眠るとその間の記憶は脳には残りません。

結果として、目が覚めた瞬間だけが記憶に残り、脳はあたかも一晩中眠れていなかったかのように錯覚してしまいます。「目覚めた一瞬が、ずっと続いている」と感じるわけです。

この現象が、実際には目覚めと目覚めの合間には意外と質の良い睡眠がとれているにもかかわらず、不眠だと思い込んでしまう原因だと考えられます。

実際の研究でわかった「不眠」の正体

2023年の日本抗加齢医学会で発表された研究結果では、主観的な不眠と客観的な睡眠データに乖離(いわゆる睡眠誤認)があることが示唆されました。

多くの方が感じる不眠の正体は「睡眠誤認」

2023年に発表された研究では、平均53歳の女性約50名の脳波を計測しました。

その中で有効なデータを得たのは47名で、この方々に、医学的なカウンセリングでも使われる世界的な睡眠健康指標を使って不眠の状態を調査しました。

この不眠状態の調査表は、ご自身の主観で記録し、点数がつけられます。その結果、47名中85%の方が不眠または不眠の疑いがあるスコアを出しました。

しかし実際に脳波を計測してみると、72%の方がきちんと眠れている状態にありました。本当に心配な不眠状態の方は、たった8.5%だったのです。

この現象を「睡眠誤認」と呼びますご自身が主観的に認識している睡眠と、実際に脳波で確認された客観的な睡眠解析データには違いがあるのです。

参考研究調査:平均年齢53歳の女性46名に対し、独自調査して発表された研究があります。

結果)本人回答型の睡眠尺度とデバイス計測診断による評価の違い

アテネ不眠尺度(AIS) ※2では「不眠症の可能性が高い26人(55%)」と「不眠の疑いがある14人(30%)」とで合計85%が不眠の可能性があるスコアとなり、エプワース眠気尺度(ESS) ※3では、早期に専門医への診察が11名(23%)に推奨され、さらに3名(6%)には速やかに医師診察の推奨スコアとなった。
しかし、睡眠脳波計測によると、「熟眠障害」では8名(17%)のみが浅眠化の傾向があるが39名(83%)は良好な睡眠をとれていた

( 抜粋 日本抗加齢医学会 2023年第23回総会発表内容 筆頭演者 Sato Ohki)

「本当は質よく眠れていた!」と分かると、安心してもっと眠れるようになる

不眠だと思い込んでいた方でも睡眠の脳波レポートをお届けし、実際の睡眠状態を解説すると、ほとんどの方は「こんなに眠れているんだ」「私の睡眠、悪くないんだ」と安心します。

そして、翌日以降からぐっすり眠れるようになったと!いう報告が多くありました。

よく眠れているという安心感で脳をリラックスさせることが、良い睡眠のカギだと確信したエピソードです。

もちろん、実際に不眠の方も多くいらっしゃいます。しかし、自分の感覚や医師へ「不眠です」と問診で伝えただけの段階では、正確な診断とはいえません。

睡眠専門医が、まだまだ身近に少ないのも事実です。だからこそ、ご自身の睡眠状態をきちんと可視化することが、睡眠改善につながることがあるという事実を知っていただけると嬉しいです。

眠れなくて不安なときの対処法!夜中に起きても時計を見ない。

眠れなくて不安なときにおすすめの対処法は、夜中に目が覚めた時に時計を見ないことです。

これまでのお話のように、脳が認知することが睡眠の質に影響するきっかけになります。つまり、夜中に目が覚めたときに時計を見ると「またこの時間に起きた」と脳が認識し、結果的に思い込みが強化されてしまうのです。

目覚ましがセットされているという安心感を持ち、夜中の途中覚醒は時計を見ずに再び眠る習慣をつけることが大切です。

実際、ベッドからトイレまでの通路も含めて時計を撤去された方が「朝までぐっすり眠れるようになった!」というケースもあります。時間を見てしまう習慣がある方は、時計を撤去することも検討してみてください。

まとめ:不眠は思い込みかも!と、リラックスして過ごしてみる。

不眠かどうかは、実際に調べてみないとわからないものです。

ご自身の睡眠が心配なら、スリープテックを使って調べてみましょう。不眠だと思い込んでいただけで、実際にぐっすり眠れているかもしれません。

短い睡眠でも、眠ることで身体は回復しています。途中覚醒が多い方ほど、深いノンレム睡眠(N3、N4)がしっかり出ているものです。

日々の快適な睡眠のためには、不安を解消し、心身ともにリラックスすることが最も大切です。夜中に目が覚めても、朝の目覚ましが鳴るまで時計を見ずに、安心して再び眠るようにしてみてください。

客観的な睡眠データが知りたい場合は、Google FitbitやPixel Watchなど、睡眠の計測精度に定評のあるスマートウォッチを活用するのがおすすめです。より詳細に調べたい方は、簡単に睡眠脳波を計測できるデバイスを活用してみましょう。

大木都がおすすめする睡眠計測デバイス

●Google Fitbit
 https://www.fitbit.com

●睡眠脳波計測 [InSomnograf]
 https://www.suimin.co.jp/personal
*上記の研究で活用した自宅で医療レベルの検査ができる睡眠時脳波計測サービス
 (株式会社S’UIMIN)

この記事でわかったこと

  • 目が覚めた時間ばかりが記憶に残っているだけの可能性がある
  • 不眠症を訴えている人のほとんどは「睡眠誤認」
  • 夜中に目が覚めても時計を確認しないことが大切

この内容をPodcastのラジオ番組で聞くことができます。

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