皆さん、就寝前の習慣はありますか?
夜は、自分自身がリラックスできる貴重な時間です。しかし、忙しい日常の中でその時間を確保するのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
最近では「リベンジ夜更かし」という言葉が生まれ、夜の時間を好きなことに費やす方も増えているようです。
実は、夜の過ごし方を工夫することで、寝つきが良くなり、睡眠の質を高める方法があります。それが、睡眠のためのナイトルーティンです。
ナイトルーティンは人それぞれですが、自分に合った方法を見つけることで、心と体をしっかりとリラックスさせ、質の良い睡眠へと導くことができます。
この記事では、リラックスして眠るためのナイトルーティンの作り方についてご紹介します。ご自身に合った方法を取り入れて、スムーズな入眠と質の良い睡眠を手に入れましょう。
この記事でわかること
- 睡眠に関係する脳の特性
- リラックスできるナイトルーティンの作り方
- 入眠をサポートするおすすめ方法
脳の特性を活かしてスムーズな入眠を実現
脳は非常に興味深い特性を持っていて、無意識のうちにパターン化することを好みます。
脳は日常的に大量のエネルギーを消費していますが、その大部分は無意識の思考活動によるものです。(デフォルト・モード・ネットワーク:DMNとも呼ばれます)。
一説によると、この何気ない思考の時間が、脳全体のエネルギー消費の6~8割を占めているとされています。
Raichle, Marcus E. “The brain’s dark energy.”Scientific American 302.3 (2010): 44-49.
そのため、脳はエネルギーを節約するために、日常の行動をルーティン化して自動的に進めるように働きます。脳はできるだけエネルギーを使わず、効率的に動こうとする「節約家」なのです。
例えば、お風呂に入るときや歯を磨くとき、無意識にいつもの順番で行動していることに気づいたことはありませんか?また、靴を履くときも、右足か左足かを考えずに自然と動いているはずです。
これが脳のパターン化の仕組みで、習慣を作ることで無駄なエネルギーを使わずに日常の動作を無意識にこなすことができるのです。
この脳の習慣化の仕組みを活用して、就寝前に自分なりのナイトルーティンをパターン化するのがおすすめです。リラックスできるルールを作り、自然と入眠に向けて体と心を整えていきましょう。
リラックスできるナイトルーティンの作り方
では、具体的なナイトルーティンの作り方をいくつかご紹介していきます。
入眠時にリラックスできるポイントは人それぞれ好みが違うので、これから紹介する方法の中から「これならリラックスできそう!」と思うものを選んでみてください。
あらゆる方法を試し、いいところどりをして、自然と快適な入眠モードを作れる自分にぴったりのナイトルーティンを作りましょう!
香りで脳や身体をリラックスさせる
まず、脳や体をリラックスさせるためにおすすめなのが「香り」です。
香りは脳に直接働きかけるため、リラックスのサインとして非常に効果的です。お気に入りの香りを使うことで、自然と睡眠モードに切り替えやすくなります。
さらに、睡眠中の無意識な状態でも、睡眠の質を高める効果が期待できます。アロマオイルは持ち運びが便利で、外出先でも睡眠環境を整えやすいのが魅力です。
寝る前にお気に入りの香りを焚いて、「これで入眠モードに入るんだ」と脳に意識させることで、よりスムーズにリラックスできます。これはぜひ試してみてほしいおすすめの方法です。

部屋の環境を整える
次におすすめしたいのは、ダウンライトを使って部屋を暗くし、心が落ち着く時間を過ごすこと。
部屋の照明を物理的に暗くすることで、リラックスしやすくなり、自然と眠りにつきやすい環境を作ることができます。暗い環境で過ごすこと自体が、脳に「そろそろ眠る時間だ」と伝える良いサインになるのです。
日本の家庭では、室内をとても明るい照度で過ごすことが多いですが、日が暮れた後の室内は、ダウンライトを使ってムードのあるレストランくらいの明るさにすると良いでしょう。そうすることで、脳や身体が自然と「夜なんだ」「眠る準備をしよう」と感じ、自律神経やホルモン分泌が睡眠モードへと切り替わります。
音楽を使ったリラックス法
3番目におすすめなのが、耳からのリラックスです。
具体的には、音楽や環境音を聴くことでリラックスすること。お気に入りの音楽や自然の音を聴く時間を作ると、脳がリラックスしやすくなります。
例えば、ダウンライトで部屋を暗くしながらお気に入りの音楽を流したり、香りを楽しむといった方法も効果的です。こうした工夫を取り入れることで、よりスムーズにリラックスモードに入ることができるでしょう。
寝る前のファッションを整える
さらに、意外と見落とされがちなのが、寝る前のファッションです。
専用のパジャマを用意して、眠るときには必ずそれに着替える習慣をつけましょう。加えて、アイマスクや耳栓を使うなど、眠りやすい環境を整えることも大切です。
このように、リラックスできる服装や環境を整えた上でベッドに入ることで、包まれるような心地よさを感じながら眠ることができます。脳のリラックスを促進するためにも、この方法はとてもおすすめです。
体温を下げることで入眠をサポートしよう
体温が高いところから低く下がることで、スムーズな入眠につながります。
ポイントは、体をしっかり温めてから、その体温が下がる過程を作ることです。
就寝1~2時間前にお風呂に入ろう
就寝1〜2時間前にしっかり湯船に浸かって体を温めると良いでしょう。
すると就寝直前には体温が自然と下がり、入眠がスムーズになります。
ただし、就寝直前にお風呂に入ると、体温が下がるまでに時間がかかるので要注意。お風呂のタイミングは、就寝1~2時間前がベストです。
就寝前の入浴はタイミングが超重要
お風呂に入るタイミングが大切なのは、入浴後の体温調整が関係しているからです。
熱いお風呂や長時間の入浴で体温が上がりすぎると、逆に興奮状態になりやすく、リラックスしにくくなります。ですので、リラックスのためには、ぬるめのお湯に10分程度浸かるのがおすすめです。
この方法だと、体を温めつつも、寝る頃には自然と体温が下がりやすくなります。入眠をスムーズにするために、温かくしてから体温を下げる流れを意識してみてください。
身体が火照って眠れないときは冷たいドリンクを少し飲む
寝る前に温かい飲み物を飲んで、副交感神経を活性化させてリラックスする方は多いでしょう。
特にハーブティーは、アロマ効果や保湿効果、体を内側から温める作用があり、入眠をスムーズにサポートしてくれます。自分に合ったハーブティーを見つけて、ナイトルーティンに取り入れるのもおすすめの方法です。

一方で、深部体温が下がるタイミングで眠りにつくと、深い睡眠にスムーズに入りやすいことがわかっています。そのため、猛暑が続く夏場(6〜9月)では、温かい飲み物が必ずしも適しているとは限りません。
本来であれば、就寝の90分前までにお風呂を済ませておきたいものですが、忙しい日々の中でなかなか思い通りにいかないこともあります。ときには寝る直前にお風呂に入り、体温が高いままになってしまうこともありますよね。
そんな日のナイトルーティンには、なかなか下がらない体温をサポートするために、冷たいドリンクを取り入れてみましょう。少し冷たい飲み物を飲むことで、体内を物理的に冷やす方法です。
ただし、冷たい飲み物が苦手な方もいますので、身体に合わない場合は常温のドリンクを飲んでみてください。20〜30度程度の常温水でも十分に体温を下げる効果があるので、自身の体調に合わせて、無理なく試してみましょう。
睡眠の専門家が実際に行っているナイトルーティン
最後に、上級睡眠健康指導士の大木都が、実際に行っているナイトルーティンをご紹介します。
私はお風呂が大好きで、のんびりと入浴します。浴室の照明もLEDコントロールして暖色のくらい色にして過ごします。たっぷり入浴するので、入浴後は体が、かなり温まっています。
入浴後も薄暗い部屋で、レッグウォーマを着用して足先は冷えないようにし、就寝前のサプリメントを冷たいお水で飲みます。
そこから深部体温を下げつつ、副交感神経をリラックスさせていくためストレッチをしたり、(超低電力モードにして照明を暗くした)タブレットでマインドフルネスや読書をし、寝るモードに整えていきます。
ちなみに、ファッションや寝具の準備もとても大切にしています。1日の3分の1を過ごす大切な就寝時間なので、お気に入りのパジャマに着替え、ナイト用のピロースプレーを枕にシュッと一吹き。眠気が訪れたら、アイマスクと耳栓をつけて、部屋を真っ暗にして就寝します。
マインドフルネスの内容も、その日の過ごし方に合わせて変えています。活動量が多い日は、呼吸法だけを取り入れ、思考が多かった日にはアプリの音声ガイドを使って、よりしっかりとマインドフルネスに取り組むようにしています。
一方で、デスクワークが多く運動不足な日には、足踏みや軽いストレッチで身体をリラックスさせてから、読書をして眠気が訪れるのを待ちます。身体と脳、それぞれの疲労度合いを見ながら、その日の気分に合わせて調整しています。
これが、私が質の良い睡眠を得るためのナイトルーティンです。
基本的にはパジャマなどの寝具を整えて就寝の準備をしますが、その日のストレス度合いや活動量に応じて、行う内容を自由に変えています。とにかく、その日のストレスをリフレッシュし、心地よく眠りにつけるように心がけています。
毎日のストレスや活動は異なりますから、あまり型にはめようとしなくていいんです。
自分に合った方法で、脳が「眠くなってきたな」と感じられる工夫を探しましょう。当サイトでもさまざまなナイトルーティンを紹介していますので、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。
まとめ:ナイトルーティンで快眠生活を始めよう
脳は常に考え事や判断をしようとしますが、寝る前にはそれを手放すことが大切です。
リラックスして、「これから眠りにつくんだ」というサインを脳に送るためのナイトルーティンを作るのが効果的。香りや照明、パジャマなどの環境、ストレッチ、音楽、深呼吸など、自分がリラックスできる方法を取り入れてみてください。
ご自身に合ったリラックス方法を見つけるて、質の良い睡眠を手に入れましょう。
この記事でわかったこと
- 脳波パターン化が好きなので、睡眠のパターン化するとよい
- 寝る前は香りや音、寝室環境などを整えてリラックスすることが大切
- 就寝1~2時間前のぬるめのお風呂で入眠しやすくなる
- お気に入りのナイトルーティンは必ず同じである必要はなく、心地良い方法をゆるく楽しもう
この内容をPodcastのラジオ番組で聞くことができます。
監修
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)





















