鏡の前で自身の顔をみたとき、「なんだか最近、老けたかも……」なんて感じることはありませんか?
実はその“老け見え”、日々の睡眠不足が関係しているかもしれません。
寝不足が続くと、肌はくすみ、目の下にはクマ、顔全体がどんより疲れた印象に。さらに研究では、睡眠不足が細胞レベルで“老化”を早める可能性も指摘されています。
そこで今回は、上級睡眠健康指導士の大木都(編集長:さとちゃん)が、睡眠と見た目の関係、そして老化を防ぐためにできることについて解説します。
さとちゃん若々しい見た目と健康を保つために、睡眠を見直してみましょう!
この記事でわかること
- 睡眠不足による老化への影響
- 老化を加速させないための睡眠対策
寝不足が顔に出る!「老け見え」を加速させる睡眠の影響
「クマがひどいね」「顔色悪いけど大丈夫?」──そんな言葉をかけられたことはありませんか?
実は、たったひと晩の寝不足だけでも、肌のくすみや目の充血といった“老け見えサイン”が現れることが、研究でわかっています。


「寝れば戻るでしょ」と思いがちですが、睡眠不足をくり返すと、その印象は積み重なっていきます。見た目の若々しさを保ちたいなら、まずは毎日しっかり眠ることが基本です。
要注意!たったひと晩の睡眠不足でも、悲壮感がある疲れた印象に
寝不足の翌日、鏡を見て「なんだか顔がどんよりしている」と感じたことはありませんか?
実は、そうした変化は自身だけの思い込みではなく、他人にもはっきり伝わってしまうことがわかっています。
スウェーデンのストックホルム大学で行われた研究では、たったひと晩の睡眠不足でも、顔写真を見た第三者から「疲れている」「悲しそう」といった印象を持たれる傾向があると示されました。
参考:Cues of fatigue: effects of sleep deprivation on facial appearance
(疲労の兆候:睡眠不足が顔の外観に与える影響)



初対面の相手にさえ、「悲しそう」なんてネガティブな印象を与えてしまうのは、とても驚きですよね。
会った途端に悲壮感を与えるなんて、避けたい〜〜〜汗
睡眠の質が低い人ほど、他人から老けて見られる傾向に
フランスの研究チームが2022年に行った調査では、睡眠の質が低い人ほど、自分でも「老けた」と感じやすく、さらに他人からも老けて見られる傾向があることがわかりました。
つまり、寝不足は本人の気分だけでなく、まわりに与える印象まで変えてしまうのです。
肌の調子や顔の明るさだけでなく、「なんだか元気がなさそう」といった全体的な雰囲気にも影響が出てきます。
さらに、こうした“見た目”だけではなく、体の中でも老化が進みやすくなるという報告もあります。
参考:“You look sleepy…” The impact of sleep restriction on skin parameters and facial appearance of 24 women
(「眠そう…」睡眠不足が24人の女性の肌パラメータと顔の外観に与える影響)


同じ遺伝子を持つ双子でも、睡眠時間や環境によって老化速度が変わる
デンマークでは、一卵性双生児を対象にした老化に関する大規模な研究が長年行われています。
遺伝子がまったく同じ2人を比較することで、生活習慣や環境の違いがどれくらい老化に影響を与えるのかを調べる貴重な調査です。
この研究の中で注目されたのが「睡眠時間の差」。
喫煙や紫外線の影響といった分かりやすい老化要因に加えて、普段から睡眠時間が短いほうの双子は、そうでない方よりも見た目の老化が進んでいる傾向があることが報告されたのです。
私たちの身体は、眠っているあいだに細胞の修復や老廃物の処理、肌の再生など、さまざまな“メンテナンス作業”を行っています。
とくに、肌のハリや潤いを支える「成長ホルモン」も睡眠中に多く分泌されるため、寝不足が続くとその働きがうまくいかず、シワやたるみが出やすくなるのです。
参考:Perceived age as clinically useful biomarker of ageing: cohort study
(臨床的に有用な老化のバイオマーカーとしての認識年齢:デンマークの人口ベースの双子コホート)
寝不足での変化、自分の肌で実感する
これらの研究報告を聞かなくとも、毎朝のお化粧タイムに実感している女性は多いのではないでしょうか?
今の女性が目指す「つや肌メイク=側から輝くような肌の色」のために、コンシーラーやハイライトを使って目元や頬の発色を研究する私たち女性陣。寝不足のお肌を相手に、化粧で演出を加えています。



でも、本質的によい睡眠を取れている日の自分の美肌を一番実感しているのは自分自身ですよね。
しっかり眠た日の肌は化粧のノリが良く、くすみ感が減って内側からの発色もよくって、保湿力も高くて、化粧の崩れも普段より少なくなったりします。
その日の良質な睡眠で、日々の肌は素直に反応しているのを、自分でも気づいているんです。
もし自覚がないという方は、しっかり時間をとって&ぐっすり眠った日の朝に肌の違いをマジマジと気を付けて見てみてください。自分の肌と睡眠の関係を、改めてチェックする良いきっかけになるはず。


高い基礎化粧品に投資して、メイクアップアイテムを買い漁って、サプリに投資して……。お金をかけようとすれば、きりがないのが美容ケアです。
でも、十分に心地よく眠る時間で美肌になり、他人からの老化印象&悲壮感が減るなら、睡眠を見直したほうがコスパが良いと思いませんか?
では、どのような対策をすると良いのでしょうか。具体的に解説します!
老化を加速させないための睡眠対策
では、見た目の老化を加速させず、若々しく健康な状態を保つためには、どうすればよいのでしょうか?ここからは、今日から意識してほしい睡眠対策4つを紹介します。
対策1:適切な睡眠時間を確保する
まず大切なのは、「自分に合った睡眠時間を、十分に確保すること」です。
よく「7~8時間が理想」と言われますが、実はこの睡眠時間は人によっても年齢によっても適切な時間は違います。6時間で十分スッキリする人もいれば、8時間以上寝ないと疲れが取れない人もいますよね。
目安になるのは「日中に眠くならないかどうか」。日中にうとうとすることがなければ、睡眠時間は足りていると考えてOKです!



連休に睡眠時間をたっぷりとってみて、自分にとって自然な睡眠時間を見つけるのもおすすめ。


また、できるだけまとめて眠ることもポイントです。特に多くの方は夜に眠ることが睡眠の質を良質にしてくれます。夜の深い睡眠には、脳や身体のメンテナンスを整える働きがあります。
つい夜更かししがちな時代ですが、夜の睡眠をしっかりとることで、朝から気分よく動けて、日中の作業効率もアップします。
対して寝不足の場合には、ブレイン・フォグという状態に陥ります。ブレイン・フォグ(Brain Fog )とは、目覚めて入るものの頭の中にモヤがかかったように、判断力(集中力や記憶力)が低下している状態です。結果的に、同じ時間をかけて作業に挑んでも、効率よく終えられません。
無理に作業を優先して寝不足になるより、一度しっかり眠ったほうが効率的に作業を終えられます。「時間がないからこそ、タイパを高めるために睡眠時間を確保する」──そう考えて、まずはご自身の睡眠時間を見直してみましょう。



\補足/
ただし、クロノタイプが本質的に夜型の場合は、無理に体質に合わない夜に眠ることが理想とは限りません。
熟眠出来る時間帯が異なる体質の方もいますので、この場合は熟眠できる時間帯に眠ることを指します。
ご自身が熟眠出来る時間で、しっかりとした睡眠時間を確保しましょう。


対策2:質の良い睡眠を心がける
老化を防ぐためには、十分な睡眠時間を確保すると同時に、睡眠の質を高めることも重要なポイントです。
睡眠の質を高めるために、まず寝室の環境を見直してみましょう。
部屋はできるだけ暗く、静かに。エアコンや加湿器で快適な温度と湿度を保ちましょう。寝具が硬すぎたり、蒸れたりしていないかもチェックポイントです。
パートナーや子どもなど家族で眠る時の環境はこちらをチェック
同室で眠る際の注意点!家族やパートナーと快適に眠るための3つのポイントを睡眠環境・寝具指導士が詳しく解説
さらに、寝る前の習慣もポイントです。


スマートフォンやパソコンの光は、脳を刺激して眠りを妨げることがあります。
寝る前はあたたかい飲み物やストレッチでリラックスする、フェイシャルマッサージをしながら深呼吸をするなど、自分なりの「眠れるナイトルーティン」を作ってみましょう。


おまけ:睡眠の質をチェックする方法
眠っている間の睡眠の質を自分で把握することは、無理と言っていいでしょう。そこで、便利な確認方法がスマートウォッチやスマートフォンのアプリです。
特に私がおすすめなのはGoogle FitbitやPixel Watch、Apple Watch、Oura Ringなどのウェアラブルデバイス。
無料アプリも多数あって、ある程度のチェックができますのでトライアルは無料アプリも十分です。
しかし、スマートウォッチ・スマートリングなど、装着するタイプのデバイスは、心拍数や体温変動、血中の酸素濃度などのモニタリングが複合的に睡眠を身体反応をベースに解析してくれます。
その解析結果から睡眠状態やスコアを可視化してくれるので、アプリより精度が高く睡眠の質を確認することができます。


対策3:日中の活動量を意識する
睡眠の質の低下を感じる方に多く見られる傾向があります。それはが肉体的な疲れが少ない、運動不足であること。意外に思うかもしれませんが、肉体活動・疲労が少ないと、どうしても睡眠は浅くなりがちなのです。
睡眠をより深く、質の高いものにするために、少しでも日中の活動量を増やしてみましょう。
活動時間帯に身体を使い、肉体疲労を蓄積することで睡眠欲求という眠気が昼間に蓄積されます。それが夜には自然と眠気が訪れ、ぐっすり深い眠りを誘ってくれるんです。
でも、「運動」と聞いた途端に「頑張れない!」と凄くハードな運動を想像する方もいるのですが、普段から運動していない方が急にトレーニングを振る必要はありません。
そんなツラい活動、続きませんよね!
午前中に軽く散歩をしたり、帰り道にひと駅分だけ多く歩いてみたり。いつもの道を少しだけ早歩きする──そんな小さな工夫で、睡眠の質はぐっと高まります。
運動が苦手な方は、無理にきついトレーニングをする必要はありません。身体が「ちょっと動いたな」と感じる程度の、心地よい運動こそが、質の高い睡眠につながるのです。



おすすめは、普段よりちょっとだけ心拍数が上がるくらいの軽い運動で大丈夫です。お話が出来るくらいの速歩きとか、良いです。
私が猛烈にオススメしたいのは寝起きの「ラジオ体操」です。
たった3分程度に約200くらいの筋肉部位を動かす、効果的なストレッチ効果があります。
寝ぼけつつはじめたのに、終わる頃には目覚めもスッキリ。
結果的に夜の睡眠の質も良くしてくれます。
ただし、寝る直前の激しい運動は逆効果になることも。
体が覚醒してしまい、興奮するホルモン分泌を促進してしまうことがあります。逆効果で、かえって眠れなくなることがあります。
できれば日中のうちに身体を動かして、夜の睡眠を整えるリズムをつくっていきましょう。


対策4:身体のメンテナンスに必要な栄養をしっかり補う
眠っているあいだ、身体の中では単に休んでいるわけではありません。
就寝中はノンレム睡眠・レム睡眠を繰り返しながら、お肌や筋肉、記憶や脳内のごみ処理など、“全身のメンテナンス作業”が進んでいく重要な時間です。
その睡眠時の修復や再生を支えるのが、バランスの取れた栄養です。
たとえば、肌のハリに関わるコラーゲンをつくるには、良質な脂質やビタミンCが欠かせません。骨や筋肉の代謝にも、アミノ酸、カルシウム、ビタミン、ミネラルなど、多くの栄養素がバランスよく必要です。


しかし、年齢を重ねると同じように食事を取ったつもりで栄養の吸収効率も落ち、無意識のうちに不足していることもあります。
実際、「朝まで眠れない」「途中で目が覚める」といった悩みの背景に、栄養バランスの偏りが関係しているケースも少なくありません。
そのため、食事で補いきれない栄養素は、マルチビタミンやミネラルなどのサプリメントでサポートするのも一つの方法です。
また、加齢に伴う更年期などによる不眠は男女問わずに現れる症状です。加齢にともない睡眠の質が落ちていると感じる場合は、消化力の低下での栄養不足が影響しているケースがあります。
食欲の変化や便秘などの症状がでたら、栄養バランスも改めて意識しましょう。更年期に伴う症状の場合、漢方やアミノ酸を含む食品などの助けを借りる対策で、睡眠の改善を感じる方も多いです。
睡眠の質を底上げしたいときこそ、栄養を味方につけて。身体がしっかり休める土台を、内側から整えていきましょう!


まとめ:若々しさを保つためにも、睡眠を大切に
睡眠不足は、見た目の印象だけでなく、身体の内側から老化を進めてしまうことがあります。
だからこそ、何か1つの方法で整えようとするのではなく、以下の4つを意識して過ごすことが、老化を避ける睡眠の大切なポイントです。
- 睡眠時間をしっかり確保し
- 睡眠環境を整え、邪魔する要素を排除し
- 日中は適度な活動で肉体を使って
- 栄養補給でメンテナンス養分を補う
1つひとつを見ると、決して必死に頑張るほどのことではありません。何気なく疎かにしてしまいがちな、ほんの少し日常行動の積み重ねです。
これらを見直し、不足部分を整えるだけで、肌の調子や目覚めの軽さ、自分自身への自信もきっと変わっていきます。



若々しさを保つためにも、できることから少しずつ改善。
徐々にぐっすり眠れる毎日をめざしましょう!
この記事でわかったこと
- たったひと晩の睡眠不足だけで、他人に気づかれるほど老け見えする
- まずは睡眠時間をしっかり確保し、睡眠の質を高めるための対策をするとよい
- 「睡眠時間・就寝環境の整理・適度な運動と栄養」を整えることが老化スピードを下げる快眠法
この内容をPodcastのラジオ番組で聞くことができます。


監修
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です
























