生理前になると、なぜか眠れない。
朝起きられない自分に、落ち込んでしまう。
毎月のように、そんな夜を繰り返している方は少なくありません。
まずお伝えしたいのは、それは性格や気持ちの弱さのせいではない、ということです。
女性の場合は、女性ホルモンの変動によって自律神経が乱れることが、大きく関係していると考えられています。
この記事では、生理前の睡眠の変化を示すデータと、自分を責めずに夜を過ごすための具体的な方法「チョコレート瞑想」をご紹介します。
この記事でわかること
- 生理前(黄体期)に「眠れない」が増えるしくみと、アプリデータでみえた具体的な変化
- 我慢のしすぎがかえって睡眠に逆効果になることがある理由
- 今夜からできる「チョコレート瞑想」の具体的なやり方
生理前に「眠れない」が増えるのはなぜ?アプリデータでみえた黄体期の変化
生理前の時期は「黄体期」と呼ばれています。
最近ではPMS(月経前症候群)という言葉でも知らるようになりました。
PMSがある時期、「なかなか眠れない」と感じる女性が多いことがわかっています。
大木都 編集長 (さとちゃん)私は、女性の心と身体に寄り添う企業のプロジェクトに、睡眠分野の有識者の一人として参画しています。
生理管理アプリに蓄積されたデータの分析では、黄体期に次のような変化がみられたそうです。
| 黄体期に増えた悩み | 普段の時期との比較 |
|---|---|
| 将来が不安で眠れない | 約1.67倍 |
| 心配事で眠れない | 約2.6倍 |
| 朝起きられないと感じる | 約1.28倍 |
| 夜眠れないと感じる | 約1.57倍 |
注目したいのは、眠れない理由の多くが「不安」や「心配事」といった気持ちの側面だったという点です。
しかも、眠れないことで生活リズムが乱れ、その自分に罪悪感や自己嫌悪を感じてさらに眠れなくなるという悪循環も、アプリの記録や相談内容から確認されたといいます。
参考:大木都が参画する、女性の睡眠サポートに関する取り組み(310LIFEニュース)

眠れないのは「性格のせい」ではなく、ホルモンと自律神経のしくみ
女性ホルモンは自分の意思とは関係なく変動し、全身の働きを調整する自律神経に影響します。
黄体期や更年期に気持ちが揺れやすいのは、性格や心の弱さが原因ではありません。
ホルモンの変動によって、身体が一時的に本調子でない状態になっていると考えられます。
「今はホルモンの影響で眠りにくい時期」と知っておくことが、セルフケアの第一歩です。


我慢のしすぎは逆効果?ストレスホルモンが目を覚まさせるしくみ
生理の前後になると、チョコレートなど普段は控えているものが無性に食べたくなる。
そんな声を、睡眠相談の場でもよくうかがいます。
たしかに、甘いもののとりすぎは血糖値の変動を招き、余分な糖はAGEs(最終糖化産物)となって身体の炎症の原因になるといわれています。ですから控えめが基本です。
ただし、ここに落とし穴があります。「食べちゃダメ」と強く我慢することが過度なストレスになると、かえって睡眠によくない可能性があるのです。
ストレスがたまると心拍が上がり、身体が目覚めた状態になって、寝つきが悪くなりやすいといわれています。ストレスホルモンは本来、身体を活動モードに切り替えて「狩りに行くパワー」を出すためのしくみと考えられているためです。
我慢しすぎて眠れなくなっていないか、一度見直してみましょう。

「ダメ」と禁止する代わりに、一粒をとことん味わう「チョコレート瞑想」
生理前に甘いものが欲しくなったら、チョコレート一粒をじっくり味わう「チョコレート瞑想」がおすすめです。
チョコレート瞑想とは、感覚を研ぎ澄ませることで落ち着いた状態を引き出す、マインドフルネスの手法のひとつ。
ポイントは、「ダメ」と蓋をするのではなく、「これくらいは食べていいよね」と自分に許可を出したうえで、その一粒を最大限に楽しむことです。
| ステップ | すること | 意識を向けるポイント |
|---|---|---|
| 1. 見て、香る | 色や形をじっくり見て、鼻で香りを味わう | ・カカオ農家から手元に届くまでのストーリー ・香りの印象 |
| 2. 少しだけ口に含む | 唇や舌で触れ、舌の上でゆっくり溶かす(まだ飲み込まない) | ・唾液が出てくる感覚 ・甘みや苦味 ・鼻に抜ける香り |
| 3. 味わって飲み込む | ゆっくり飲み込み、残りも噛み砕いて味わい尽くす | ・喉から胃へ落ちていく感覚 ・広がる風味 |
こうして食べると、いつもより少ない量で満足感を得やすくなるといわれています。
「食べてはいけないものを食べてしまった時間」が、自分を労わる至福のひとときに変わっていくのが、この方法のいちばんの魅力です。寝る前にテンションが下がって「ぐるぐる思考」が始まりそうな夜の、気持ちの切り替えにも試してみてはいかがでしょうか。
大木都 編集長 (さとちゃん)レーズンなどの固形の食べ物でも代用できます!

女性の睡眠とチョコレート瞑想に関してよくある質問
Q. 甘いものは身体に悪いと聞きます。本当に食べていいのでしょうか?
とりすぎは控えるのが基本です。
ただ、強い我慢が過度なストレスになって眠りを妨げているなら本末転倒。小さな一粒だけを手元に置き、それ以上すぐに取れない環境をつくったうえで、とことん味わって食べてみてください。
Q. チョコレートが苦手です。ほかの食べ物でもできますか?
チョコレート以外の食べ物でも代用可能です。
レーズンなど、口の中でゆっくり味わえる固形の食べ物なら同じように行えます。お酒を控えている方が「特別な一杯を味わって飲む」のと同じ発想です。
大切なのは、罪悪感ではなく楽しむ意識で口にすること。大好きな味が口の中に広がるひとときを、味わい尽くす感覚で行ってみてください。
Q. 男性が知っておく意味はありますか?
男性にも、女性のホルモン変動について知っておいてほしいと思います。
ホルモンの変動による不調は、パートナーや職場の同僚の体調を理解するうえで大きなヒントになり得るものです。
また、更年期の不調によるパフォーマンス低下や休職は男女ともに起こりうるとされており、男性自身にとっても無縁の話ではありません。
Q. 生理前の眠れなさがつらすぎます。どうしたらいいですか?
セルフケアでは追いつかないつらさがある場合は、一人で抱え込まないでください。
日常生活に支障が出るほどの不眠や気分の落ち込みが続く場合は、婦人科や睡眠外来、心療内科などへの相談をご検討ください。
まとめ:眠れない夜こそ、自分の味方になることから始めよう
生理前や更年期に眠れないのは、あなたの意志や性格の問題ではなく、ホルモンと自律神経のしくみによるものです。
だからこそ、眠れない夜に自分を責めるのではなく、「今日もよく過ごしたな」と自分を認めてあげる時間をとってみませんか。
今夜できる小さな一歩は、お気に入りのチョコレートを一粒だけ用意して、時間をかけて味わってみること。
大木都 編集長 (さとちゃん)無理のない範囲で、ご自身を甘やかす夜をつくっていきましょう!
この記事でわかったこと
- 黄体期は不安や心配事で眠れない人が増え、自己嫌悪の悪循環にもつながりやすいこと
- 眠れなさの背景には女性ホルモンと自律神経のしくみがあり、性格や気持ちの弱さのせいではないこと
- 我慢でストレスをためるより、一粒をとことん味わう「チョコレート瞑想」で自分を労わる選択肢があること
この内容をPodcastのラジオ番組で聞くことができます。
監修
執筆
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)







