食習慣の乱れが、不眠につながる可能性があることはご存知でしょうか?
「朝は忙しいし食欲もないから、朝食は食べない」
「疲れて帰宅したら、ご褒美の夕食をたっぷり食べる」
そんな食生活もよく聞く話。忙しい現代に生きる私たちにとって、規則正しく健康的な食生活は難しく感じるかもしれません。ストレスフルな毎日の中で、「食事くらいはストレスを感じずに食べたい」と感じることもありますよね。
しかし、何気ないと思っていた食習慣の乱れが、実は不眠の症状や様々な体調不良につながっていることがあります。
そこで今回は、早稲田大学 名誉教授で時間栄養学の第一人者、柴田重信先生に快眠を手に入れるための食事法について詳しくお話を伺いました。
食生活の疑問や不安を解消するために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
この記事でわかること
- 朝食と夕食の工夫が、睡眠の質にどう影響するのか
- 快眠をサポートするビタミンやミネラルとその食材
- 夜遅くに食べる甘いお菓子が睡眠に及ぼす悪影響
朝の食べ方が、夜の睡眠をつくる
朝はしっかり、夜は軽め。そんな食べ方のリズムが、実は睡眠の質を大きく左右します。
朝食でタンパク質や食物繊維をしっかりとると、体のリズムが整い、昼間を元気に過ごしやすくなります。その流れが夜の自然な眠気につながり、ぐっすり眠りやすくなるのです。
反対に、夜遅い時間に脂質や炭水化物をとりすぎると、体内時計(睡眠と覚醒のリズム)が後ろにずれやすくなります。結果として寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなることも。
時間栄養学の研究でも、夜遅い高カロリー食が生活リズムを夜型に傾けることが報告されています。

参考:Circadian rhythms of liver physiology and disease: experimental and clinical evidence
さらに、平日に睡眠不足が続く人ほど、朝食を抜き、夜にたくさん食べてしまう傾向があります。こうした食事の乱れは体内リズムを乱し、睡眠の質を下げる原因になってしまいます。
もし最近、眠っても疲れが取れないと感じるなら、食べ方のリズムを少し整えることから始めてみましょう。栄養バランスのよい朝食と、軽めの夕食を意識するだけでも、体も心も自然と整っていきます。

不眠を解消しよう!快眠をサポートする栄養素
ぐっすり眠るためにも、毎日の食事内容を出来ることから上手に工夫することが効率的な快眠につながるポイントです。
快眠をサポートする栄養素と食材、そして避けたい食習慣について具体的に見ていきましょう。
朝食にとりたい、ビタミン・ミネラル
朝食では、炭水化物やタンパク質に加えて、ビタミンやミネラルをとることが大切です。
特にカルシウムやマグネシウムは、体のリズムを整えるうえで欠かせない栄養素。また、ビタミンKやビタミンDといった栄養素も、1日の中で意識して取り入れておくことが望ましいとされています。
| 栄養素 | 主な食材例 |
|---|---|
| カルシウム | 牛乳・ヨーグルト・チーズ、しらす、いわし、小松菜、豆腐 など |
| マグネシウム | 玄米、大豆製品(納豆・豆腐)、ほうれん草、海藻類(わかめ・ひじき)、ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ) など |
| ビタミンK | 納豆、ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、春菊 など |
| ビタミンD | 鮭、いわし、サンマ、干ししいたけ、きくらげ、卵黄 など |
こうした栄養素を意識的にとることで、毎日のコンディションや睡眠の質にもよい影響を与えてくれます。

果物・野菜摂取と睡眠の質
果物や野菜は、昼でも夜でもしっかりとることが大切です。
特に果物は、「朝のフルーツはゴールド」といわれるほど、健康や美容に良いとされています。今まで朝に果物を食べる習慣がなかった方も、これからは季節の果物を少し取り入れてみてはいかがでしょうか。
気分もリフレッシュできて、一日のスタートを気持ちよく切ることができるかもしれません!
「朝のフルーツはゴールド」と、昔から健康法の合言葉のように親しまれてきました。
果物には、朝にとるといい栄養素(ブドウ糖や果糖、ビタミン、ミネラル、食物繊維など)がたっぷり含まれていて、それが “金(ゴールド)の価値がある ”という意味あいで広まったと考えられます。
ヨーロッパのことわざには「朝の果物は金、昼は銀、夜は鉛 “Fruit is gold in the morning, silver at noon, and lead at night.” 」という表現もあるそうで、朝の果物の価値の高さが昔から強調されてきたことがうかがえます。

マグネシウム・カルシウムと睡眠の質
ミネラルの中でも、マグネシウムやカルシウムは睡眠との関わりが深いとされています。
柴田先生による調査では、これらの栄養素を推奨量より多くとっている人は、不足している人に比べて睡眠の不調が少ない傾向が見られました。特にマグネシウムは、アテネ不眠尺度のスコアでも良い結果につながりやすいことが示されています。

小さな差ではありますが、朝や昼にしっかりとる人ほど、より良い影響が出やすい傾向も確認されています。毎日の食事で、これらの栄養素を意識的にとることで快眠をサポートしてくれる可能性があります。
| 栄養素 | 主な食材例 |
|---|---|
| マグネシウム | 玄米、大豆製品(納豆・豆腐)、ほうれん草、海藻類(わかめ・ひじき)、ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ) など |
| カルシウム | 牛乳・ヨーグルト・チーズ、しらす、いわし、小松菜、豆腐 など |

参考:たんぱく質・炭水化物・食物繊維の摂取量と睡眠の関係|~『Pokémon Sleep』×『あすけん』×『筑波大学』共同大規模調査・第2弾~
シフトワーカー(交代勤務者)は朝食にカルシウムを摂ることも大切
シフトワーカー(交代勤務者)の不眠については、カルシウム摂取が有効であることも報告されています。

特に「自身にとっての朝の時間帯(睡眠をとり、活動を始める時間帯)」にカルシウムをとることで、不眠の症状が少なくなる傾向が見られました。シフトワーカーは、カルシウムを意識的にとることで、心地よい睡眠をサポートできるかもしれません。

【要注意】夜のおやつは控えるのが理想
心地よい睡眠を叶えるためには、夜のお菓子はできるだけ控えるのがおすすめです。
特に甘いものを夜遅くに食べると、体内時計のリズムが乱れやすく、結果として睡眠の質が下がってしまいます。どうしても甘いものを食べたいときは、夜は避けて日中の活動時間に楽しむことが理想です。

どうしても甘いものが食べたくなるときの対処法も柴田教授が別の記事で伝授しています。気になる方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

まとめ:不眠解消のためにも、食事を大切にしてみよう!
ぐっすり眠って、心地よい目覚めのために、まずは食習慣を改善してみましょう。
朝はしっかりと栄養をとり、夜は控えめに整える――そんなシンプルな習慣が、体内時計のリズムを整えて眠りの質を高めてくれます。
ビタミンやミネラル、果物や野菜を取り入れることも大切ですし、夜遅い甘いお菓子を控えるだけでも効果的です。
今日からできる小さな工夫を続けて、ぐっすり眠れる毎日を育てていきましょう。
この記事でわかったこと
- 朝は栄養をしっかり、夜は軽めに整えると眠りが深まりやすい
- カルシウムやマグネシウムなどの栄養素は快眠を支えてくれる
- 夜遅いお菓子は体内リズムを乱し、不眠の原因になりやすい
関連書籍
時間栄養学について、もっと詳しく知りくなりましたか?
本記事を監修している柴田重信先生の「脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい」をチェックしてみてくださいね。
▼参考書籍

【書籍情報】
タイトル:脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい
著者名:柴田重信
出版社:講談社+α新書
形態:文庫本 / kindle版/楽天Kobo版
発売日:2022年10月21日
監修者
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商









