寝具の色で睡眠の質が変わる?ぐっすり眠れる色・避けたい色を徹底解説

シーツや枕カバーを選ぶとき、色や柄を意識したことはあるでしょうか。

何気なく使っているアイテム「色」。その色は、自律神経を通じて心拍数や筋肉の緊張度に影響を与えるとされ、環境設計でも重要視されます。

眠るんだから「目を瞑れば、色は関係ない」と思うかもしれません。実は寝具の色によって、同じ時間ベッドに入っていても体の準備状態が変わりうることが、複数の研究から示唆されています。

目を閉じるまでのわずかな時間も、脳は視覚から受け取った色の情報を処理し続けており、その刺激がリラックスを後押しするか、覚醒を引き延ばすかを左右する可能性があるのです。

では、いったい寝具には何色が良くて、どの色が避けたほうがよいのでしょうか??

この記事では、色と身体の関係を示すデータとともに、寝具の色選びのポイントをわかりやすく解説します。

この記事で分かること

  • 寝具の色が睡眠に影響するとされる理由と、その仕組み
  • 睡眠環境に取り入れやすい寝具の色と、選ぶときの考え方
  • 寝具のメインカラーとして注意したい色の傾向
  • 寝具の色とあわせて見直したい、寝室環境の整え方
目次

寝具の色が睡眠に影響する仕組み

寝具の色が睡眠に関係する理由は、「色が目から入って、脳と体に働きかけるから」です。

目から入った色の刺激は、自律神経を介して心拍数・血圧・筋肉の緊張度に影響を与えます。赤い色を見ると自然と気持ちが高ぶり、青い空を見るとなんとなく落ち着く、という日常の感覚に近いものです。

寝具の色も、毎晩繰り返されることで脳が「この色=休む時間」と学習し、リラックスモードへ切り替えるサインになっていくとされています。

参考:Suk HJ et al.「Effects on Heart Rate Variability of Stress Level Responses to the Properties of Indoor Environmental Colors」Int J Environ Res Public Health. 2021;18(17):9136. PMC8430831

寝ている女性と彼女の周りに星が描かれたイラスト

「トーナス値」によるリラックス効果

国内の寝具研究でよく引用される指標に「トーナス値(筋肉緊張度)」があります。

視覚から入る色によって、無意識に筋肉の緊張状態が変わるというもので、色彩心理学の分野でも参照されている考え方です。

「色を見るだけで筋肉が変わるの?」と驚くかもしれませんが、色の刺激は意識する前に体に届いています。そのため、寝具の色を変えるだけで体の準備状態が変わりうるとも考えられているのです。

寝具の色トーナス値
(目安)
体への影響
ベージュ約23・最も筋肉がゆるみやすい
・畳や壁の色に近く、日本人の肌色ともなじみやすい
パステルブルー低め・ベージュに次いで筋肉の緊張を和らげるとされる
パステルピンク低め・ベージュに次いで緊張を和らげる効果が示唆されている
赤・オレンジ約42・筋肉を緊張させ、交感神経を刺激しやすい

ベージュと赤・オレンジのトーナス値の差は約20。同じ時間ベッドに入っていても、寝具の色だけで体の準備状態が変わりうることを示唆しています。

なお、トーナス値は色彩心理学の分野で長年参照されてきた指標ですが、育ってきた環境による経験から感じる個人差もあるため、あくまで参考値として考えてみてください。

参考:Weijs ML et al.「Effects of environmental colours in virtual reality: Physiological arousal affected by lightness and hue」R Soc Open Sci. 2023;10(10):230432. PMID: 37830019(色が生理的覚醒に与える影響に関する関連研究)

色と睡眠時間の関係:2,000世帯を調べた海外の大規模調査

「実際に、色が違うと何か変わるの?」という疑問に答えてくれる調査があります。

イギリスで行われた大規模な調査では、2,000世帯の寝室のメインカラーと平均睡眠時間の関係が調べられました。寝具だけでなく壁紙も含む寝室全体の色が対象ですが、寝具の色を考えるうえでも参考になる結果です。

寝室のメインカラー平均睡眠時間ポイント
青(ブルー)7時間52分心拍数と血圧を穏やかに下げ、鎮静効果が高いとされる
黄色(淡いパステル調)7時間40分温かみがあり、安心感をもたらす
7時間36分自然を連想させ、落ち着きをもたらす
5時間56分想像力・脳の活動を刺激しやすく、睡眠時間が最も短い傾向

青系の寝室と紫系の寝室では、平均睡眠時間に約2時間の差が生じています

人によっては『色なんて気分の問題』、と思う方もいらっしゃるかもしれません。こうやって、研究レポートから、体の反応として数字に現れうることを示唆されると、とても興味深い結果ですよね。

みなさんは、心地よい・リラックスするな〜と思う色はありますか?

ご自身の感覚を優先しつつ、迷ったらトーナス値やこちらの寝室カラーの調査レポートも参考にしてみてください。

私は自然の多い宮城で育ったのでグリーンが多いと自然と呼吸が深くリラックスモードになる感覚が強いです。なので、森林系を貴重としたアースカラーがリラックスに私には効果的と感じています✨️

モダンな内装のベッドルーム。大きなベッド、クッション、スタイリッシュな椅子、間接照明、そして木目調の壁がある空間。

参考:イギリスのホテルチェーン「トラベロッジ(Travelodge)」が2013年に実施した、2,000世帯を対象とする家庭の睡眠環境に関する調査

ぐっすり快眠!おすすめの寝具の色4選

筋肉の緊張をゆるめ、自律神経を落ち着かせるとされる色を紹介します。

ベージュ・アイボリー:「安眠の定番色」には理由があった

ベージュは、トーナス値(筋肉緊張度)の観点で最も筋肉がゆるみやすい色とされています(目安値:約23)。

寝室に和の要素を取り入れている方はもちろん、洋室の方にも合わせやすため、多くの家庭で取り入れられているカラーです。

なお、「真っ白」は清潔感があっていいですよね。しかし一方では、光の反射率が高く、窓が多い部屋や照明が当たると眠る前ですら眩しさを感じて脳が覚醒しやすくなることがあります。

そこで、少し黄みを帯びたオフホワイトやアイボリーが、光が当たっても視覚的な穏やかさを作りやすいんです。ホワイト系を希望しつつ色に迷ったらベージュやアイボリーを選んでみるのがおすすめです。

モダンで洗練されたベッドルームの内部。ベッドにはクッションとシーツがあり、落ち着いた色調で装飾されている。壁には縦のスリットパネルがあり、明るい照明が施されている。

淡いブルー(パステルブルー):調査で睡眠時間が最も長かった色

夜を彩るのは青色の世界。寝室のアイテムには続いて好まれやすいのが、ブルー系です。

淡いブルー(パステルブルー)は、心拍数と血圧を穏やかに下げる鎮静作用があるとされています。

先程のイギリスでの調査でも、青系の寝室が平均睡眠時間7時間52分と最も長い結果となっていましたね。

寒色系が苦手という方は、鮮やかな青ではなく、グレーがかったくすみブルーを選んでみるのもおすすめ。シーツ全体をブルーにしなくても、枕カバーを切り替えるだけでも落ちつきを感じられるかもしれません。

青い壁とカーテンが特徴の、シンプルで快適な寝室。ベッド、デスク、収納キャビネットが配置されている。

淡いグリーン:自然を感じる「安心色」

淡いグリーンは、安心感と調和をもたらすとされ、海外調査でも平均睡眠時間が比較的長いカラーのひとつです。

自然の緑を連想させる色であることから、視覚的な安らぎを生みやすく、リラックスしたい寝室環境にも馴染みます。ミントグリーンやセージグリーンなど、淡い色合いを選ぶのがポイントです。

二つのベッドとグリーンのクッションが置かれた明るい客室の一部

ネイビー(濃紺):「もう休む時間」と脳に教える深みのある色

ネイビー(濃紺)は、夜の闇を連想させる色みが「これから休む時間」という気持ちの切り替え(入眠の儀式)につながるとされています。

照明を落とした寝室との相性もよく、近年インテリアとしても人気が高まっている色です。

ネイビーは面積が広いと圧迫感が出やすいため、シーツ全体よりも掛け布団カバーや枕カバーにアクセントとして取り入れるのがおすすめ。ベージュやオフホワイトと組み合わせると、落ち着いた上品な印象になります。

モダンなベッドルームの内部。白いレンガの壁と木製の天井が特徴。ダークブルーのベッドカバーとクッションが置かれたベッドの横にはナイトスタンドとランプがあり、窓の近くには観葉植物がある。

特に大人世代。寝具以外にも落ち着きのあるカラーで、ファションカラーや家具アイテムを揃えているなら、他アイテムとの調和を取りやすく、ネイビーは好まれる傾向があると感じています。

つまり、同じ方でも年齢を重ねるにつれて・世代によって、落ち着くカラーのお好みには変化があるものです。

春はグリーン、夏はブルー、秋冬はオフホワイトなど、季節や気分の変化に応じて、模様替えでカラーをガラッと変えるのもおすすめです。

避けたい寝具の色:睡眠を妨げる可能性がある3系統

寝具の色のなかには、視覚的な刺激が強く、入眠や睡眠の質に影響しうるとされる色があります。インテリアとしては魅力的な色でも、寝具のメインカラーとして使う際は少し注意が必要です。

赤・オレンジ:「やる気スイッチ」が就寝前にオンになりやすい

赤やオレンジは視覚的な刺激が強く、交感神経を活性化させやすい色です。

トーナス値も高く(目安値:約42)、身体が興奮状態に入りやすくなることが示唆されています。日中の活動には向いていますが、シーツや枕カバーなど就寝前に目に入る寝具のメインカラーとしては避けるのが無難です。

もしインテリアとして赤やオレンジを取り入れたい場合は、クッションカバーや小物など、ベッドから少し離れた場所に留めておくとよいでしょう。テラコッタや煉瓦色など彩度を抑えたアースカラーなら、比較的刺激を和らげやすいとされています。

3つの赤いベッドと窓があるシンプルな寝室の内部

紫・ラベンダー:調査で睡眠時間が最も短かった色

紫は、想像力や脳の活動を刺激する作用があるとされています。

トラベロッジの調査では、紫系の寝室の平均睡眠時間が5時間56分と、調査対象の中で最も短い結果となっていました。

「落ち着いた色」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、寝具のメインカラーとして使う際は注意が必要です。

ラベンダーのような淡い紫であっても、睡眠の質に変化がないかチェックしてみましょう。もし、ぐっすり眠れていないと感じるなら、割けても良いカラーです。

紫が好きな方は、アクセントとして小さく取り入れる程度にとどめるのがおすすめ。

寝具のメインカラーはベージュや淡いブルーを使って、リビングやダイニングルームなどで紫系のカラーを楽しみましょう。

紫色のクッションが置かれたベッドのアップ。白いシーツと紫の壁が背景にある。

グレー:おしゃれだけど「冷たさ」を感じやすいことも

グレーは洗練されたインテリアとして人気がある一方、無機質に感じられやすく、人によっては孤独感や心理的な冷たさを覚えることがあるとも言われています。

一部の調査で熟睡度が下がるという結果も報告されており、影響を感じる方もいるようです。気分が落ち気味の場合には、寝具のメインカラーとしては採用しないほうが良いかもしれません。

グレーを使いたい場合は、ウォームグレー(やや黄みや赤みが入ったグレー)を選ぶと冷たい印象が和らぎます。また、ベージュやオフホワイトと組み合わせることで、グレー単色のときよりも寝室全体の温かみが増します。

ベッドとシンプルな木製の棚がある寝室の写真。棚の上には本とプロジェクター、下には収納ボックスが置かれ、白とグレーの色合いで整えられている。

寝具の色と合わせて整えたい、寝室環境のポイント

寝具の色を見直すついでに、寝室環境のもう一歩も取り入れてみましょう。照明とグリーンは、比較的手軽に変えられるうえ、就寝前のリラックスを後押ししてくれる要素として注目されています。

暖色系の間接照明を取り入れる

寝室の照明が明るすぎると、脳が「まだ昼間だ」と勘違いして、目が覚めてしまいやすくなります。

就寝前は、寝室の光を暖色系の間接照明に変えて、少し薄暗い空間で過ごすのがおすすめです。

間接照明を置く場所は、ベッドに横になったときに光源が視界に入らない位置がおすすめ。光が直接目に入らない工夫だけで、寝室の雰囲気がぐっと変わり、気分が落ち着いて寝つきがよくなることもあります。

観葉植物やフェイクグリーンを寝室に置く

寝室に植物など自然を感じるものを置くと、気持ちが落ち着きやすくなるという研究報告があります。

室内の鉢植えやグリーンをテーマにした複数の研究をまとめたレビューでは、ストレスに関連する数値が改善したケースが報告されています。

ベッドから目に入る場所に、観葉植物をひとつ置いてみる。それだけでも、寝室の雰囲気がやわらかくなって、なんとなくほっとできる空間に近づくかもしれません。

植物の水やりや手入れが苦手な方は、造花(フェイクグリーン)を置いてみるのもおすすめ。まずは「なんとなく癒される」と感じる場所に、気軽に飾ってみてください。

参考:Qin J et al.「Can Even a Small Amount of Greenery Be Helpful in Reducing Stress? A Systematic Review」Int J Environ Res Public Health. 2022;19(15):9778. PMID: 36011414

寝具の色に関するよくある質問

「寝具の色を変えたらどうなるの?」「どこから始めたらいい?」など、よく寄せられる疑問に順番にお答えします。

Q:寝具の色、なぜ睡眠に影響するのですか?

寝具の色が睡眠に影響するのは、視覚から入る色の刺激が自律神経を通じて心拍数・血圧・筋肉の緊張度に作用するためです。

寝る直前に脳が受け取った色の情報が、リラックスモードへの切り替えを助けたり、反対に覚醒状態を引き延ばしたりする可能性があるとされています。

Q:睡眠に最も向いている寝具の色はどれですか?

筋肉緊張度(トーナス値)の観点では、ベージュが最もリラックス効果が高いとされています。

睡眠時間との関係では、海外調査で青系(ブルー)の寝室が平均7時間52分と最も長い結果となっており、淡いブルー・グリーン系も安眠に向く寝具の色として参考になります。

Q:枕カバーの色だけ変えても意味はありますか?

枕カバーは、寝る直前に最も目に入りやすいアイテムです。

シーツ全体を買い替えなくても、枕カバーをベージュや淡いブルーに変えるだけで、就寝前の視覚環境を整える第一歩になります。続けることで、脳が「この色=休む時間」と学習しやすくなることも期待できます。

ぐっすり習慣を作ることに役立つと考えられています。

Q:カーテンの色も寝具と合わせたほうがよいですか?

寝室に入ってから目に入る色の面積としては、寝具よりカーテンのほうが大きくなることがあります。

寝具の色と同系色でそろえると、視覚的な統一感が生まれ、落ち着いた寝室環境を作りやすくなります。ベージュ・淡いブルー・グリーン系は、寝具にもカーテンにも取り入れやすい色です。

Q:子どもの寝具に向いている色はありますか?

子どもは大人より色の刺激に敏感とされることがあります。

パステルカラーや淡いグリーンなど、穏やかなトーンの色が取り入れるのがおすすめです。

一方、赤や鮮やかなオレンジは就寝前の興奮につながりやすいため、寝具のメインカラーとしては控えたほうがいいかもしれません。

Q:真っ白の寝具は安眠に向いていますか?

真っ白の寝具は清潔感がある一方、窓の多い部屋では光の反射率が高く、照明が当たると脳が眩しさを感じて覚醒状態が続きやすくなることがあります。

窓の多い部屋では安眠を意識するなら、少し黄みを帯びたアイボリーやオフホワイトのほうが、視覚的な穏やかさを作りやすいとされています。

たいして、窓がないような暗くなりやすい寝室の場合には、明るさを演出するのには役立ちます。暗い印象が苦手な場合には、上手に取り入れてみまっしょう。

まとめ:寝具の色は毎晩積み重なる「入眠の合図」

寝具の色が睡眠に影響する仕組みは、視覚から自律神経・筋肉の緊張度へと連鎖する働きによるものです。

「目を瞑るから関係ない」と思われがちな寝具の色ですが、毎晩繰り返される小さな視覚の合図として、脳のリラックスモードへの切り替えを後押ししてくれます。

寝具のカラーが気になっているなら、枕カバーの上にベージュや淡いブルーのタオルなどを添えてカラーを替えてみましょう。タオルなら気軽に変えらえてお試しにはとっても便利です。

一般的な調査報告からレポートしましたが、睡眠の質はご自身の感覚が大事です。寝具のカラーを変えながら、睡眠の変化を確かめ、快適なMY寝具カラーを見つけてみてください。

この記事で分かったこと

  • 寝具の色は視覚を通じて自律神経や緊張状態に働きかける
  • ベージュ、淡いブルー、淡いグリーン、ネイビーがおすすめ
  • 赤やオレンジ、紫系、グレーは避けたほうが無難
  • 暖色系の間接照明やグリーンを取り入れるのも効果的

監修

*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)

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