「スマートウォッチの睡眠ステージがよく分からない」「睡眠スコアを改善したいけど、思うように効果がでない」など、使い方が分からず困っていませんか?
スマートウォッチをつけて眠ることで、心拍数や動作などの情報から睡眠状態をデータ化できます。とくにGoogle FitbitやPixel Watchでは「睡眠スコア」として点数がつけられるので、愛用中ならもっといいスコアを取りたいと思いますよね。
しかし、よくある改善策として「入浴する」「食事に気をつける」「適度な運動」などを実践しても、スッキリとした快眠が得られないと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、スマートウォッチで計測できる睡眠ステージやタイムラインの読み解き方をFitbit公式Friendであり上級睡眠健康指導士の大木都(さとちゃん)が徹底解説!
また、より高精度な方法として脳波検査による睡眠解析についても紹介します。自身の睡眠データから適切な改善策を見つけ、睡眠の質を向上させましょう。
この記事でわかること
- スマートウォッチでわかる睡眠ステージとは
- 睡眠ステージで睡眠改善ができた事例
- 脳波による睡眠計測の可能性
スマートウォッチで計測できるの睡眠ステージとは?
Google FitbitやPixel Watchでは、睡眠の深さや覚醒のタイミングを手首につけているだけで自動で詳細を記録してくれます。朝目覚めると、睡眠点数やスコアが確認できる便利なアイテムです。
Google FitbitやPixel Watchの睡眠ステージ
Google FitbitやPixel Watchでは、心拍数や身体の動きなどのデータをもとに睡眠ステージを計測します。
▼Google FitbitやPixel Watchの睡眠ステージ
- 覚醒状態
- レム睡眠
- 浅い睡眠
- 深い睡眠

睡眠ステージ:覚醒状態とは
覚醒状態とは、目が覚めているまたは覚醒している状態の睡眠ステージです。意外とご自身では起き上がった記憶がない時間帯にもでてくるのがこの覚醒状態。身体反応的には覚醒していると判断され、この時間が増えていきます。
一般的な成人では、一晩に10〜30 回ほど短時間の覚醒状態になることがわかっています。1回あたりの覚醒時間が 2〜3 分以内の場合、目覚めてすぐまた眠った可能性が高く、目覚めたことを覚えていないかもしれません。
朝起きたときに寝付きが悪かったと感じた場合は、他の日の睡眠と比べて覚醒状態の時間が長かった可能性があります。
またGoogle FitbitやPixel Watchでは覚醒時間は全体の睡眠時間に含まれていません。実際寝たのに思ったより寝ている時間が足りないな?と思ったら、この「覚醒状態」を省いた時間を睡眠時間にしているのだ!というポイントを確認してみてくださいね。
睡眠ステージ:浅い睡眠とは
浅い睡眠は、心身の疲労回復に役立つ睡眠ステージです。
眠りについてから数分以内に始まり、浅い睡眠で身体は少しずつリラックスしていきます。多少の物音で、簡単に目を覚ましてしまうのが特徴です。
浅い睡眠では、呼吸数と心拍数がわずかに減少します。睡眠の初期段階では、覚醒状態と浅い睡眠を行き来することも多くみられます。
よくフィットビットユーザーからご相談をいただくケースで、「読書をしていたから起きてるのに、冒頭1時間が浅い眠りってことになってる!(本当は起きてたんだよ)」というご意見を頂きます。
ベッドの上で読書中でもちゃんと覚醒状態と判断されることもあるのですが、心地よくリラックスして、しかも微動だにせずに読書をしていると浅い睡眠とカウントされることがあります。
もし、ベッドで読書しており、睡眠カウントを取られたくない場合には、適度に腕を動かすのがおすすめです。
読書中にそんなの面倒!という場合で、本来じゃない睡眠が記録されていることが違和感があって直したい!というケースでは、起床時に睡眠記録から冒頭の読書時間を編集して消す方法があるのでこちらをご紹介致します。

STEP1)修正したい日の睡眠データをひらきます
STEP2)右上のメニューを開きます(3つの点なので、メニューと気づかない方も多いですね)
STEP3)睡眠を編集というメニューを選択します
STEP4)直したい時間帯の睡眠の横にある「編集」を選びます。画像では1つかないですが、断眠していくつかの記録がある場合は並びます。
STEP5)寝た時間と起床した時間を選べるので選んで修正しましょう。
疑問:睡眠スコアはどうなるの?
保存すると睡眠スコアが再集計されます。これによって睡眠の点数が上がることもあれば、悪くなることもあります。総合的な睡眠時の質がかわるからです。
睡眠指導者の大木としては、何か提出する義務とう無い限りは眠りにつこうとした際の読書データが少し入っても気にせずに記録を続けていいと思います。あくまで睡眠スコアは参考程度に活用するのが本質であり、デバイスの睡眠のスコアを完璧にすることがゴールではないからです。
また修正をしたことにより、睡眠のスコアが上がると気分はいいのですが、、、、結果的に悪くなるケースも有り、正しい睡眠時間にしたことでスコアが悪くなり、気分も滅入ってしまうのはもったいないです。
(睡眠スコアが悪いことでメンタルダウンになる方もいらっしゃいますので、そこまで神経質にスコアを追い求めることは、指導者視点ではおすすめできません!あくまで楽しんで参考にするツールです。)
睡眠ステージ:深い睡眠とは
深い睡眠は、身体の疲労回復や記憶整理などを行う睡眠ステージです。
深い睡眠の段階では、免疫系の働きもサポートするといわれています。
眠りについてから最初の数時間で深い睡眠に入ることが多く、軽い外的刺激では目覚めにくい状態です。筋肉が弛緩して呼吸が遅くなり、心拍はより規則的になります。
朝起きたときに目覚めがすっきりしている場合は、前夜に深い睡眠がしっかりとれた証拠です。深い睡眠量は年齢を重ねるにつれて低下する傾向にありますが、人によっては若いころと変わらない場合もあります。
私が体調&美容状態も良い女性(モデル層)で調査をしたデータでは、睡眠時間が短くなっても深い睡眠の比率が良くとれていました。深い睡眠を効率よく取得できている方は、座っている時間が短く活動量も多かったことが確認できています。

大木さとnote
Fitbitを使ってオトナ女子層の美容研究したお話。(日本抗加齢医学会発表レポ)https://note.com/310life/n/n06fdea36a11c?magazine_key=m75a74b5fea75
睡眠ステージ:レム睡眠とは
レム睡眠は「夢を見る浅い睡眠」だと思われがちですが、実はとても重要な睡眠ステージです。
レム睡眠の段階では脳が情報を整理し、長期記憶に保存できるように調整します。さらに気分の調節、学習、記憶に重要な役割を果たすことも示唆されています。
基本的には深い睡眠の後に出現することが多く、就寝時間の後半になるにつれてレム睡眠の時間が増えます。このとき眼球はすばやく動き、心拍数は増加し、呼吸は不規則になりますが、頚椎より下の筋肉は夢に反応することを避けるため基本的には動きません。
レム睡眠は現在とても注目されている睡眠で。体調のリカバリーにとても重要な役割をしていることが次々と判明してきました。もし、十分にレム睡眠がとれていない場合には、以下の2点をきをつけてみましょう。
1)睡眠時間が不足している
レム睡眠は朝になるにつれて出現する睡眠脳波です。
2)体を動かす活動を増やす
運動不足が続くとレム睡眠が増えない傾向があります。体を十分に動かしたり、ストレッチなどをして肉体的に動かす活動を取り入れてみましょう。
スマートウォッチでわかる、理想的な睡眠タイムラインとは?
良質な睡眠では、眠り始めてすぐに「深い睡眠」に到達します。そして目覚めの時間にむけてレム睡眠が出現して、目覚めを迎えます。
全体的なバランスとして「深い睡眠」の割合が多く、後半に「レム睡眠」が長めに生じているのが理想的です。ひと晩を通して「覚醒状態」が少なく、安定して眠れている場合は睡眠スコアも高くなる傾向にあります。
ただし、80点台の高スコアは室の良い睡眠で獲得することが出来るのですが、90点以上のスコアは話が別となります。90点超えを目指すには十分な睡眠時間を確保しないと、Fitbit/Pixel Watchでは獲得できません。通常7時間程度の睡眠時間では質がよくてもスコアを上げることは難しいです。覚醒時間を除いてしっかり8時間以上の睡眠を目指してみると90点超えをとれるケースが増えます。
対して、全体的に「覚醒状態」「浅い睡眠」の比率が多い睡眠は、睡眠の質が悪いと考えられます。「深い睡眠」「レム睡」が少なく、眠りが浅い状態です。無意識のうちに頻繁に目が覚めているため、朝もすっきりと起きられず日中も疲労感や眠気が起こりやすくなります。

【事例】自分の睡眠ステージを知るだけで、睡眠が改善することもある!
睡眠ステージを適切に読み取ることができれば、自分に合った睡眠改善法が分かってきますよね。ここでは、睡眠ステージから睡眠改善をした事例を見ていきましょう!
改善例①:睡眠の質は悪くないが、寝つきが悪かった方
「寝つきが悪く、睡眠時間が短い」と悩んでいる方の睡眠波形をチェックしました。
すると「深い睡眠」「レム睡眠」は安定しており、睡眠の質にはあまり問題がなかったんです。しかし、確かに寝つきには時間がかかっているようでした。
そこで、以下のような改善策に取り組んでもらいました。
▼寝つきをよくする改善策
- 毎朝定刻に朝日を浴びる
- 夕方以降は強い光を避ける
- 夕方以降は脳をリラックスさせる
上記の改善策を実施したところ、この型の体内時計が整い、寝つきがよくなりました。すぐに眠れるようになったため、睡眠時間の不安も解消されました。
改善例②:夜中に目が覚めてしまい、ぐっすり眠れなかった方
「中途覚醒が多く、ぐっすり眠れない」と悩んでいる方の睡眠波形をチェックしました。
すると、確かに中途覚醒が頻繁にみられ、さらに「浅い睡眠」が多いことが分かったのです。そこで、御本人に伺うと飲酒がお好きで、毎日飲んでいました。
そこで、以下の改善策を提案しました。
▼ぐっすり眠るための改善策
- 睡眠前のアルコールは控える(理想は4時間前までに飲み終える)
- アルコールを飲む際には同量の水を飲む
- おつまみに野菜をいっぱい食べるようにし、締めのラーメンは控える
- 日中に適度な運動を行う
改善策を実施したところ、中途覚醒が減少し、深い睡眠が増えてぐっすり眠れるようになったのです。
またアルコールを寝る前に飲んだ時と飲まなかった時の違いに明確な違いをデータで実感し、疲れている時など意識的にノンアルコール(休肝日)で生活をして、戦略的に体調改善する日をとるようになりました。適度に熟睡出来る日が撮れるようになり、イライラ感やすぐに部下にキレるような気分が抑制され、仕事も効率よく回るようになったそうです。
睡眠傾向を読み解くことができれば、生活習慣を工夫するだけでも睡眠を改善できることが分かる例です。
睡眠に問題を感じているなら「脳波」による睡眠解析をすることも重要
スマートウォッチで睡眠管理をしていても、質がわるくて心配になる方もいらっしゃいます。そんな時には、脳波検査を行うことで、健康管理トラッカーよりも詳細に睡眠状態を可視化できるのでおすすめです。
睡眠に深刻な課題を感じているなら、一度は脳波検査を試してみるのがおすすめです。
脳波で睡眠検査をした場合に表示される睡眠段階
脳波検査では、スマートウォッチよりも詳細な睡眠段階が解析できます。在宅で検査できるサービスも多数あり病院を通して検査出来るものから、WEBエントリーフォームから個人的に申し込めるサービスおあります。
▼脳波で睡眠検査を実施した場合の睡眠段階
- WK……覚醒
- REM……レム睡眠
- N1……ノンレム睡眠(浅い)
- N2……ノンレム睡眠(中程度)
- N3……ノンレム睡眠(深い)
- NS……判定不能
睡眠脳波を検査するメリット
睡眠脳波の検査は、睡眠を改善するために非常に有効です。
健康管理トラッカーよりも詳細に睡眠状態を計測でき、問題点を明確にできます。睡眠時無呼吸症候群などリスクの高い症状も診断できるため、睡眠状態に不安を抱えているなら一度は睡眠脳はを図ってみるのがおすすめです。

医療機関で専門的に複数のコードを付けて精密検査する方法もあるのですが、現在の睡眠脳波の検査は、自宅で簡単に扱えるデバイス提供(簡易的な医療レベルの検査)もされています。
かつての睡眠検査は、専門の病院で「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」という入院検査を行うのが一般的でした。しかし入院検査はハードルが高く、多少の睡眠不安では検査に行けないという方が多かったですし、実際に提供している病院施設も少なく、検査をなかなか受けられない状態でした。
しかし現在は自宅で検査できるデバイスで、気軽にチェックできます。
装着する電極も最小限で、いつもの自宅の環境で眠るため「通常の睡眠脳波」を図ることができる点も非常にメリットの多い方法です。
専門病院で行える精密検査も安心ではありますが、入院検査はかなり手間ではあるのも事実。そこで、いったんは簡易検査から始めても十分に良いと思います!大事なのは睡眠の課題を感じているのに放置をせず、早めに睡眠脳波検査をしてみることです。
脳波検査とスマートウォッチの併用は、より効果的
より精密な睡眠検査をするなら脳波検査が効果的ですが、毎日使うものではないのが現実。あくまで健康診断のように年に1回検査するような位置づけのものです。
まずは日常的に信頼できるスマートウォッチも併用して、睡眠状態を長期的に記録しておくことが健康管理にとても役立ちます。とくにGoogle FitbitやPixel Watchの睡眠計測は、世界的にみても精度が高いことで知られ、日本国内の医学研究の現場でもとても大活躍しているデバイスです。
長期的な睡眠データの推移を見ることで、健康管理や不調時の原因を見つけたいときに役立つはずです。医師に相談するときも、スマートウォッチの長期的なデータが役立つケースがあります。
ご自身の睡眠課題に応じて、上手に併用してみてください。
まとめ:スマートウォッチや脳波検査で睡眠状態をチェックしてみよう
快適な睡眠を得るためには、自身の睡眠パターンを理解し、適切な改善策を実施することが大切です。
スマートウォッチやリング型健康トラッカー、脳波計などを活用し、睡眠状態を可視化してみてください。自分の感覚ではなく科学的なデータに基づいて改善策を実施すれば、生活習慣の工夫だけでも睡眠が改善していく経緯が把握できて、自分にあった健康改善方法がきっと見つけられます。
睡眠タイムラインを分析するのは難しいと感じるかもしれませんが、慣れれば誰でも簡単に自身の睡眠傾向を読み解けるようになります。
継続的にスマートウォッチをつけて眠り、睡眠データを集めて、自身の睡眠タイムラインや睡眠スコアをチェックするところから始めてみましょう。
この記事でわかったこと
- スマートウォッチで深い睡眠や浅い睡眠、レム睡眠などが計測できる
- 睡眠ステージがわかると、適切な対処方法が分かる
- 睡眠脳波計測を使うことで、より高度な睡眠改善が可能に
監修
*「睡眠養生」は株式会社310LIFE(サトライフ)の商標登録です。(商標登録:第6821898号)











